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桜と射的

近所の公園は近在の桜の名所である。先週、見頃というにはまだ蕾ばかりだったが、早くも提灯がぶらさげられ、屋台が並びはじめた。屋台は、どんな根拠があるのか知らないけれど、例年きっちり同じ配置である。いちばん下の子と保育園で同じ組の家のひとが焼きそばを焼いていたりする。

上のふたり(5年生と1年生)がやってきた。「しゃてき」がやりたいといいはじめた。昨年から一度やってみたいとおもっていた、というのだ。「子どもは一回300円だって」というところを見ると、すでに下調べを済ませているようである。上の子はじぶんの小遣いから出すという。真ん中の子も、じぶんの財布をひらく。「あれ? 146円しかない」。100円はじぶんで出資し、足りない200円は貸してあげることにした。ふたりはそれぞれ300円を握りしめ、勇んで出かけていった。

下の子を昼寝させようとしていると、外で、射的に行ったはずの上の子たちの声がした。早ばやと帰ってきたところをみると、案の定、景品を手にすることはできなかったようだ。「弾を4発もらうんだけど、1発は狙う前にまちがって発射しちゃった」「あたったんだけど、景品がたおれないんだよ」「景品が糊で貼りつけてあるんじゃないか」「弾が軽すぎるんだよ」と口々に不満をならべた。

そのあと、再度外へ遊びにいった子どもたちは、射的屋さんのまわりでたくさんの「弾」を拾って帰ってきた。直径1cmほどの小さな円柱形のコルクだった。

桜の満開は金曜日だったろうか。土曜日は天気もよく大勢にひとで公園はにぎわっていたようだ。射的屋は2軒に増えていたが、子どもたちはもう「やりたい」とはいわなかったが、遊びに出たあと、ゴムボールを発射する鉄砲のおもちゃをもって帰ってきた。射的で当てたという男の子からもらった、という。知ってる子? と訊くと、「知らない」という。

日曜日は曇天。午前中に下の子どもを連れてちょっとだけ桜見物にでかけた。ぼくの目当ては、公園の隅で地元の造園組合が販売している苗木を買うことだった。1本1000円の値札のついたアセビを買おうとすると、おじさんに「2本で1500円、もうすぐ雨だから、まけとくよ」と押し切られ、2本もたされることになった。

公園の一角には、ベニヤ板でステージが設けられていた。地元で活動するひとたちが、つぎつぎと登場して演し物を見せてくれる。ケネス・ブラナー監督・主演の『恋の骨折り損』の余興のシーンみたいな感じである。下の子は、着物を着たおばさんが氷川きよしの歌にあわせて踊るのとか、子どもミュージカルの公演とかを熱心に見ていた。

雨が降りはじめたのは夕方になってからだった。