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デザインのミニマリズム

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新しいApple Keyboardを買った(英語版)。すぐに気に入った。さっそくもう一個買ってしまった。デザインは、ごらんのとおり。現在世の中に存在するパソコン入力用キーボードのなかで、ハッピーハッキングをちょいと別にすれば、ほぼ究極のミニマリズムだといえる。

軽い。薄い。測ってみた。もっとも高いところで、机面から17-8mmだ。全体はアルミの板一枚。そこにプラスティックのキートップが生えている。MacBookのキーボードにそっくりの形状だ。キータッチまで似ているから、好みは分かれるだろう。コストが許せば、MacBook Proみたい、キートップもぜんぶアルミという手もあったかもしれない。それでも総合的に見れば、このキーボードはよくできている。

思えばこの15年ばかり、Appleの製品のなかで、キーボードはもっとも軽んじられてきた。SE/30のキーボードはメカニカルで独特の手応えがあったが、以後の製品は、どれもこれも、ひどくがっかりさせられる代物だった。プラスティックの外装はいかにも安っぽく、タッチはベコベコ、ヘナヘナだった。直近で販売されていた製品は、キーを押してもまっすぐ下向きに入らず、変なふうに引っかかるありさまだった。初代iMac以来の「伝統」なのか、台座には透明なポリカーボネードがかぶせてあった。そのぶん分厚く、むやみに重かった。Mac本体における工業デザインのレベルの高さからすれば、そもそも機能レベルからして信じがたい低水準だったといわねばなるまい。「ジョナサン・アイヴ」という名札をぶら下げた出来の悪い美大生がデザインしていたんじゃないか、と半ば本気で疑っていた。タイプするたびにキーが引っかかり、台座が厚いので長時間つかっていると手首が痛くなる。そうして、無用のイライラがつのる。けっきょく外付けキーボードは取り外し、PowerBookのキーボード(こちらのタッチはそれなりに好きだ)から入力、なんてこともしばしばあった。手がかかるぶん愛着が湧くということも、まるでなかった。そういう製品ではなかったのだ。

10月には、ほぼ同じデザインのワイヤレスモデルが発売されるという。テンキーが省かれるが、それも買ってみるつもり。モダンデザインの理念は、なんだかんだいわれながら、いまだそれなりに有効性をもちつづけているようだ。