クリスマス・エクスプレスにて

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まとまりのない話をゆるゆると三題。

その1。メルプラッツの公開研究会が京都駅前のキャンパスプラザで開かれた。ぼくは名古屋の実家に一泊したのち、当日朝、京都へ向かった。名古屋駅に早めに着いた。時刻表をめくってみたら、新幹線でなくても集合時刻までに京都へ到着できることがわかった。ならば、ということで、東海道線に乗って行くことにした。特別快速で米原まで行き、姫路行き新快速に乗り換えて、つごう二時間。久しぶりにまとまった時間を在来線に揺られた。車窓をながめながら、ときどきノートをつけて過ごす。時間がゆっくり流れていた。写真は、新快速の車中──おそらく彦根あたり──で撮影したもの。例によって京ぽん2で撮ったので画質はよろしくない。

その2。京都はメルプラッツ五回目の公開研究会だった。個人的な話をすれば、つい数日前まで、明学の授業で、デジタル・ストーリーテリングによる映像作品制作をやっていた。2クラス、計75名が、グループで話しあいながら、最終的にはそれぞれ1作品を制作するのだ。ぼくの空き時間はすべて学生の面談に投入することになり、しまいには人生相談的な様相を呈し、75名がぼくに乗りうつったような状態になった。ようやくプレゼンテーションを迎え、一区切りついたところだった(この話は別途書くつもり。あくまで予定だが)。そのせいか、どの発表もツボにはまった。とはいえ、落ち着いて考えるべきことは山積みである。今回は記録係として議事録をとっていたのだが、15000字にもなった。どうやってまとめればいいかしら?

懇親会のあと、新幹線で東京へ(正確にいえば市川へ)。この原稿も車中で書いている(途中まで)。クリスマスの休みに新幹線といえば、JR東海の「クリスマス・エクスプレス」シリーズである。2000年の特別版を別にすれば、あれが終わってもう15年である。「芸術批評論」という授業で批評文の書き方を教えているのだが、年明けまでの課題がこれ。もちろん学生たちは誰もこのTVCMを知らない。この授業ではこれまでラヴレターを書いて講評しあったりしてきたためか、学生たちの気合いの入れようはタダゴトではない。ちなみにラヴレターの元ネタは、北大CoSTEPの難波さんに教えていただいたもの。それをぼく流にアレンジしている。

その3。クリスマスといえば、NHK-FM「今日は一日クリスマス・ソング三昧」の本番が明後日に迫っている。というか、日付が変わったのでもう明日だ。ぼくの出る「クリスマス・ソング考古学」のコーナー用の曲目リストをつくって昨日送った。とりあえず80年代以前の曲ばかり50曲を選んだところ、ディレクターのKさんからお叱りのメールが届いた。こんなにかけられるわけない、トークの時間を考えれば、せいぜい10曲くらいのものだというのだ。もう、おっしゃるとおりである。ごめんなさい、これでもだいぶわかりやすい選曲にして、数も絞ったつもりだった。もともとの趣意では、よくあるクリスマス特番ではなく、こういう音楽をいろいろ紹介するというものだったはずなのだが、いまさらぼくがなにをいってもどうにもならない。

なんとも残念ではあるが、曲目は削らなければならないだろう。50-60年代の曲などどれもカヴァーで短いが、できればかけたい。あんまり誰も言ってないみたいだけど、「ジングル・ベル」は今年ちょうど150周年にあたることだし。「クレイジーのクリスマス」のように7分を超える大作もある。とはいえ、ただ長いからという理由だけで、こいつをはずすわけにはいくまい。そう思案していると、削るのは至難である。こちらの頭のなかでは、こうした曲はすべて歴史のなかに位置づけられている。だから、それを捨象して、「たのしいトピック」として断片を語るのは容易ではない。こうなるともはや、ぼくのおしゃべりなどどうでもよい。とにかく一曲でも多くかけてもらうほうがいいんだけどなあ。

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