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地震から夏至まで(1)──揺れる

そのとき、ぼくは校庭の端のコンクリート壁に腰かけていた。グラウンドでは運動会の開会式が始まっており、ちらばった生徒たちの体操をするようすをぼんやりながめていた。

突然、じぶんの身体が揺さぶられているような感覚に気がついた。長い周期で、大きく、ゆっくりと、左右に揺さぶられる。ちょうど、ワインの香りをたのしむのにゆっくりとグラスをまわす、そんな感じだ。揺れに抗おうとしても、なんともならない。

揺さぶられている一方で、その感覚がどこかじぶんの勘違いではないかという気持ちも湧き起こる。まわりにいる運動会の見学者のひとたちは、みな何事もなかったかのようにふるまっている。あれれれ……とおもっているうちに、揺れはなくなった。

ちょうどその時間に、のちに岩手・宮城内陸地震と名づけられる大地震が発生したことを知ったのは、夕方になってからだった。市川あたりでも震度3を記録したという。ついひと月ちょっと前に、一家して中尊寺の見学に出かけ、毛越寺までの山道を歩いたばかりだった。

被災された方々に、お見舞いを申しあげます。