ホーム > サイト整備 > BiNDとiWebとサイトリニューアル(下)

BiNDとiWebとサイトリニューアル(下)

BiNDでつくった旧サイトを公開したのが昨年の9月。翌月には、もうこのサイトを見るのが嫌になっていた。じぶんでつくっておきながら、あんまりといえばあんまりな話ではある。でも言い分がないわけではない。

デザインの好悪は別として、ともかくこんな凝ったデザインを必要としていない。ぼくにとって、ウェブサイトはどちらかといえばアーカイヴという位置づけだ。デザインも構成もなるべくシンプルでよい。Flashなど目先を刺戟するものも、すぐに厭きるだけなのでいらない。検索エンジンに少しでも多くヒットしてほしいともおもっていない。ウェブで商売をしているわけではないからだ。簡潔かつ合理的なデザインを与えられたサイトに、じぶんの仕事(のある部分)を少しずつ蓄積してゆければ、それで十分である(モダニストだなあ、われながら)。

いまさら昔のようにエディタでタグを手で打つ気力も時間も持ちあわせていないが、十数年前に戻ってFireworksとDreamweaverでウェブを構築してみようかという気持ちもなかったわけではない。当時はこの2本にJeditをくわえた3本のアプリケーションをつかって「子づれ散歩旅の絵本」というサイトを運営していたのだ(現在は閉鎖。近日中にべつの形で復活予定だが、「近日」がいつになるかは誰にもわからない)。

このときは、末期には作業量がやたらにふくれあがってしまい、ずいぶん苦しめられた。ページのレイアウトから何から全部手動であり、しかも新着ページの一部をトップページにも表示させることを、ソフトウエアの機能としてではなく、手入力でやっていた。のちにブログ構築ソフトウエアとしてMovableTypeを知ったとき、「このソフトウエアが実現している機能を人力でやっていたわけだ」とようやくわかった。もとより無茶な話ではある。あのころのやり方に戻るのは、やっぱり現実的とはいえまい。

今夏にはBiNDの新バージョン(3のこと)が発売されますぜという販促メールが矢継ぎ早に届くようになった。迷わないではなかったが、やっぱり購入は見送った。もっと手軽なウェブ構築ソフトとして、すでに手許にiWeb(09)があることを思い出したからだ。なにせiLifeを買えば否応なく付いてくる。初めはちょっと試しにいじってみただけだった。そこにたちまち生来の凝り性がむくむくと頭をもたげ、気がつけばこの一週間ほぼかかりきりで、iWeb上にあらためてウェブをリニューアルすることになっていた。

iWebは初心者向けということもあってソフトウエアとしてはつかいやすい部類に入るだろう。インターフェイスや操作法には独特の癖があるのだが、ふだん授業や講演用にKeynoteをつかい倒して慣れているのでさほど問題はない。機能面としては、できることはできるし、できないことはできない。たとえば昨今かまびすしい検索エンジン対策、いわゆるSEO対策などはやりにくい。初期のiWebでは文字がぜんぶ画像データに変換されるという荒技を駆使していたそうだが、いまはそこまでご無体な真似はしないようだ。それでもとにかく、割り切るところはすっぱり割り切っている。Appleのコンシューマー向けソフトウエアらしい。なんでもできるBiNDの対極にあるといってもよい。

調子に乗って、最初の版はすぐできた。試しにローカルに書き出してブラウザで確認してみる。あれれ、レイアウトが崩れまくりではないか。

とくに目も当てられないのが、行間が局所的に狭くなったり、書体が突発的に変わったりする現象である。しかも地滑り的に頻出している。「iWebでお手軽ホームページ」という懇切丁寧な個人運営のウェブサイトをみつけ、そこに書かれていた方法にしたがって修正する。行間はとくにIEでブラウズしたとき崩れがちであり、きちんと表示させるためには「固定値」を選んでポイント指定するとよい、とある。そうしてみるのだが、何度やり直しても、崩れは修正できない。

そればかりではない。文字を打ち込むテキストボックスと、その直下に配置した画像ボックスとのあいだに無意味な空白が入ってしまい、どうやっても詰められない。たちの悪いことに、iWeb上ではきちんと詰めて配置して表示されるのに、HTMLに書き出してブラウザで確認すると、発生するのである。

あれこれいじっているうちに、行間は固定値ではなく倍数、つまり行で指定すればうまく行くことがわかった。これだと行間は、日本語に部分的に英語が混じっていても一定で表示される。さらに、配置したボックスどうしがズレることもない。どうも固定値より相対的な指定の仕方のほうがよさそうである。

ナビゲーションメニューも、テンプレートのものそのままではつかいにくい。たとえばクリックして外部リンクへ一発で跳ぶように指定できない。とおもっていたら、メニューごと消してしまえることがわかった。インスペクタのファイルからチェックボックスのチェックをはずすだけだ。ヘッダにあらためて文字ボックスを用意して、しかるべき書体やポイントを指定し、手でリンクを貼ればよい。旧いiWebだとレンタルサーバーへのアップロードは面倒だという話だったが、現行のiWeb3.0ではなんの問題もなく完了。

そういうわけで、リニューアル・オープンした新SwingBooks Websiteは、ひたすら質実剛健を旨にできあがった。

自由は不自由、不自由は自由、というのが今回の教訓。シェイクスピアみたいである。

BiNDとiWebとサイトリニューアル(上)に戻る