種子島宇宙センター施設見学ツアー 2/2

ここからはゲートのチェックをうけて、発射場へ入っていく。

鉄骨が複雑に組みあわせられた塔が見える。中型ロケット発射場だ。ここも現在はつかわれていない。鉄骨には錆が浮いている。夏には雑草で埋もれそうだ。

この組立発射塔のたたずまいは、『ウルトラマン』に出てきた怪獣シーボーズを彷彿とさせる。あれは月ロケットと一緒に地球にやってきたという設定だったから、あながち無関係ではない気もする。

さらに奧にいくと、現在使用されている大型ロケット発射場につく。下車は許されずバス車内からの見学のみ。

大きなタンスのような建物が組立塔だ。名古屋の三菱重工で製造されたロケットが種子島へ運ばれてきたのち、ここで組み立てる。ひと月からひと月半かかるそうだ。正面扉は引き戸(世界最大だそうだ)になっていて、そこからドーリーがゆるゆると発射台まで引っぱっていく。

発射台の両脇に立つ紅白の鉄塔は避雷針。燃料の注入は発射台に据えつけられてからおこなわれる。

最後に、総合司令棟(RCC)をみる。発射の管制をする司令部で、前方の大きなスクリーンに向かって、飛行管制官をはじめ、管制員がずらりとならんでモニターをながめている場所。映画『アポロ13』でもおなじみの光景である。

これも、ヒューストンで見学したNASAのそれと比べるなら、お台場ガンダムとガンプラくらいの違いがある。正面スクリーンは市販の(?)壁掛けプラズマディスプレイだし、手許のモニタも失礼ながらしょぼく、管制卓も前後二列しかない。気分的にはやや拍子抜け感がないでもないのだが、説明によれば、電子機器が発達したためこのくらいの規模で十分なのだそうだ。

RCCの壁にポスターが飾ってあった。宇宙ものの映画の宣伝みたいだが、そうではなく、国際宇宙ステーションの告知であった。あえてこういうデザインにしているのだろうけれど、現実とフィクションとが相互に浸透しあっているさまを見てとることができる。

というわけで、見学ツアーは見どころ満載、たいへん充実していた。ちなみに費用はかからない。発射当日などをのぞけば、いつでも誰でも見学歓迎とのこと。

さらにこのツアーにはキャラまでいるらしい。参加者にはステッカーが配られる。JAXAの広報啓蒙活動はなかなか気合いが入っている。「はやぶさ」で記録映画のみならず商業劇映画が何本もつくられてしまうような状況も、わからなくもない。

 ▲左が宇宙科学技術館のパンフ、右上が「はやぶさ」カプセル展でもらった絵葉書、右下がツアー参加者に配付されるステッカー

密度の濃い90分を終えて再び科学技術宇宙館まで戻り解散となった。このあとゼミ生たちと裏手の砂浜に夕陽をながめに行ったのは、先述のとおりである。

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