「わたし変わってる」と言いたがるひとたち

「わたし、変わってる」とみずから口にしたがるひとにときどき出会う。出現するのはときどきかもしれないが、これまでのぼくの人生で出会ったこの手のひとを累計すると、けっこうな数にのぼるような気がする。

中学生や高校生くらいであれば「まぁお年頃だから」で済ませられる話であろう。でも、おっさんやおばさんとよばれるような歳になっても同じ調子で「わたし、変わってる」などと言っているのを見ると、他人事ながら「大丈夫かな」と心配になってしまう。

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この手のことを言いつのるひとのなかで、「なるほど、たしかにこのひとは変わっているな」とおもわされたようなケースは一例もない。少なくともぼくの経験の範囲では。

わざわざ自己のことを「変わっている」として他人に強調しなければならないという事実そのものが、みずからがちっとも「変わって」などおらず、いたってふつうで凡庸であることの証明であるだろう。

なぜか。それは「変わっているかどうか」という発想そのものが、他人との比較の上でしか成り立たない尺度であるからだ。

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