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日々のエッセイ Archive

北川貴好フロアランドスケープ展

入試業務の季節となった。そのあいまを縫って、北川貴好フロアランドスケープ展を見てきた。水や植物がモチーフ。その「水」が、「生命の水」的なものではなくて、生活排水であったりするのが、いい。

会場のアサヒアートスクエアにはスタッフに教え子がいる。しばし立ち話をした。

外へでると、よく晴れた隅田川沿いの風景がひろがっていた。観光客が吾妻橋の上から写真を撮っていた。

その光景は、さっきまでいた閉じられた展示空間の「ランドスケープ」と、ぼくの意識のなかでカットバックするみたいに感じられた。


ダブハチ納車

とうとうW800が納車された。

朝ショップへ行って受けとった。オドメーターは1km。そのまま小一時間うろうろしてから帰宅した。車上で凍死するかというくらい寒かった。

オプションでお願いしたのは以下のとおり。

  • 36カ月メンテナンスパック
  • ハンドル交換(POSHツーリングバー)
  • ETC
  • 純正リアキャリア
  • 純正ミニエンジンガード
  • ホンダ・グリップヒーター(スポーツタイプ)

交換後のハンドルは、標準よりもわずかに高く、わずかに手前にくる感じ。ぼくの背格好にうまくフィットして、無理のない姿勢がとれるようになった。

グリップヒーターはホンダ純正品。スマートで、見た目にはほとんど装着しているかどうかわからないほどだ。グリップ横のスイッチも小さくてよい。

ただ、ホンダ製品をカワサキに装着するのには難儀したそうで、店長いわく、よほどのことがないかぎり「もうやらない」とのこと。無理いってすみません。おかげさまで寒風のなかでも手許はあったかです。

帰宅したら、子どもたちがわらわらと現れたので、順繰りにシートにまたがらせてやった。


口頭試問の雪の朝

卒論・修論の口頭試問の季節である。その日の朝、首都圏はこの冬初めての積雪となった。

都心で4cmだったらしいが、うちのデッキの手すりを見ると、もう少し積もったのではないかという気もする。まあ、ここは都心じゃなくて市川なんだけど。

庭仕事用のスコップを手にして雪かきをした。クルマのタイヤが踏むあたりだけ、積もった雪がいったん融けて凍結していた。スコップで叩いても容易に割れないほどだった。

そこへ、一時間ほど前に学校へ行ったはずの《みの》がひょっこり戻ってきた。ずっとバスを待っていたが来ない、なんでも始発のバスがいまだ終点に着くことができないような状態らしい。もう今日は休むという。

大学へ行こうと表の道にでたら、大渋滞。ピクリとも動く気配さえない。さっき雪かきしている最中に横を通りすぎていった車が、まだいくらも進めずに並んでいた。

もとよりバスに乗る気もなく、そのまま歩いて駅へ向かった。

川沿いのマンションの駐車場で一台のポルシェが動きだした。ところが、駐車場の前の、ふだんなら傾斜していると気づくことさえないほどのわずかな斜面を登ることができない。後輪を空転させるばかりで、ずりずりと下がっていく。前進と後進をくりかえしているうちに、なんとか発進することができた。

それにしてもあのポルシェ、発進したはいいものの、あのあとどうしただろうと気になった。表通りに出れば大渋滞、傾斜の途中で停車を余儀なくされることもあったのではなかろうか。幹線の路上なら、かえって問題なかったのかもしれれないのだけど。

いつもと同じくらいの所用時間で駅に到着。駅前はバスを待つひとたちでごった返していた。電車はほぼ定刻で運行していた。


安藤忠雄先生

建築家の安藤忠雄先生にばったりお会いした。まったくの偶然である。何年ぶりだったろうか。

さるホテルのラウンジにいた。ふと顔をあげたら、いきなり安藤先生の顔が目に飛び込んできた。たまたま向かいのテーブルで打合せ中だったのだ。お邪魔して挨拶をさせていただいた。

お元気そうだった。いつもの調子で「あの本、いまでもよう売れてるで」と言ってくださった。

安藤先生とは編集者時代からのご縁である。『連戦連敗』『建築を語る』の二冊は、先生の代表的な著作だ。それらを編集者としてつくらせていただいたのだ。

先生が東大に着任されると決まったとき、これはもう講義録を出すしかないと直感した。すぐにお願いにあがることにした。ところが一面識すらない。そこで鈴木博之先生にお願いして、紹介していただいた。

そのときの反応は、けれどもあまり芳しくなかった。数週間後、一通の葉書が届いた。安藤先生からだった。「先日の話、やれそうな気がしてきました」とだけ記してあった。そうして企画が動きはじめた。

編集作業は愉しかったが、ものすごく大変でもあった。ぼくにも至らぬ点が多々ありずいぶん叱られもしたが、同時に非常に気にかけてくださった。ようするに、ひと言ではいえないほどお世話になった。

二冊とも刊行から10年以上たつ。いまでも着実に版を重ねているのだという。その累積部数たるや、専門書ということを考えあわせれば、ちょっと信じられないくらいの数字であるらしい。

そんな御本の企画と編集をさせてもらえた経験は、いろいろな意味で、かけがえのない財産となっている。


ダブハチ契約

とうとうカワサキW800を契約してしまった。じつに21年ぶりのオートバイ。大丈夫なのだろうか。納車は再来週の予定。


風力発電機

島牧の庭に、風力発電機が据えつけられていた。北海道には巨大な風力発電機をよく見かけるし、このあたりでも月越や寿都に何本もたっている。海からも山からも風のよく吹くところだから、適地なのかもしれない。

島牧のそれはネット・オークションで手に入れた台湾製の家庭用。3.11以後、けっこう出品されているのだそうだ。これで最大600wの発電能力があり、バッテリに蓄電しておけば、一部屋ぶんの電気がだいたいまかなえるという。

気になるのは騒音である。じつはぼくも数年前に家庭用風力発電機について調べてみたことがある。ロフトのデッキあたりに据えつけられないかと考えたのだ。

風だのみゆえに発電量は安定せず、発電しても微々たるものというのは、まあ想定内。それで元をとろうという発想は、もともとなかったことだしね。それよりも、プロペラの回転音が思いのほか大きく、住宅地には不向きだという指摘が少なくなかった。

島牧にいるあいだ、注意して発電機を観察してみた。それなりに風が吹き、それなりに回転しているときには、やや低いファンファンファンという音は発生する。気になる、というほどでもなさそうだったが、そこは環境や個人差もあるだろう。感心したのは、わずかな風でもちゃんと回転することだった。

帰ってからぼくもネットで調べてみた。オークションで見かけるものの大半は並行輸入品。正規輸入品とはびっくりするくらい価格差がある。どっちが適価かはわからない。


島牧でつららを見る

北海道の島牧に行ってきた。島牧で年越しするのは十数年ぶりだ。

往路は吹雪いたものの、大晦日の午後には風は収まり、気温もあがってきた。

俊輔くんに案内してもらい、北国潤につららを見に行った。

そこには廃道になった古い素掘りのトンネルがある。入口のところへ来ると、上から大きなつららが垂れ下がっていた。一週間でこのくらいに成長するのだという。思った以上に頑丈で、子どもたちがつぎつぎに雪玉を投げつけても、びくともしなかった。

トンネルを抜けて江ノ島側に出る。崖地一面に無数のつららが林立していた。

少し暖かだったせいか、つららの何本かが途中で崩落しており、古代ギリシア遺跡の廃墟みたいな光景だった。折れたつららは一抱え以上もある太さで、青白く光っていた。

その上を乗り越えて、子どもたちは崖の直下まで登っていった。鎗くらいのサイズのつららを見つけて折り、振りまわして遊んでいた。


皆既月食

皆既月食を見たいと子どもたちが言いだし、いつもより遅くまで起きていることになった。

食が始まるまで、DVDで『田吾作ロイド一番鎗』(1927)を観て待った。

ときどきデッキに出て空を見上げる。寒いが、おかげでよく晴れて、月も星もきれいに見えた。

月は天上やや東寄りのところにあった。食は月の左下から始まり、みるみる欠けてゆく。皆既月食となるころには、月は、斑点をともなった赤黒い球体となった。醤油漬けのいくらみたいだった。

NEX-5Nで写真を撮った。望遠レンズも三脚もないので、まともな写真にはならなかったが、まあ、それでもいい。

月食がすすむと、まわりの星がいっそうよくわかるようになった。月の右下にオリオン座があり、三つ星だけでなく小三つ星も見えた。近くにシリウスがあった。月の右上には、おうし座のすばる(プレアデス)も見えた。カシオペア座は北の空の下のほうにあった。

子どもたちも空を見上げながら、おしゃべりしていた。《くんくん》がいった。

「みなさん、皆既月食の時間です。大事な、大事な皆既月食だから、ほんとに大事な皆既月食だから、みんなで空を見上げましょう」

言い終えると、ウケケと笑った。《みの》も《なな》も笑った。

元ネタは、かれらが大好きな映画のひとつ『南極料理人』である。

あんまり寒いので、その連想だったのだろうか。なんにせよ、夜中にちょっと近所迷惑ではあった。


Lionにアップデート

仕事用のiMacを遅まきながらLionにアップデートした。

すでにMacBookAirではLionをつかっているので、これが初めて、というわけではない。iMacのほうは、CS2などの古いアプリをいまだにつかっている関係上、しばらくアップデートを見あわせてきたのである。

Lionはダウンロード販売で、ふつうに作業を進めると、既存のOSを書き換えてしまう。だが、これまでの経験からすれば、OSのアップデート時には、できるだけクリーンインストールしたほうが無難であろう。検索してみると、App.StoreからLionをダウンロードしたのちに、DVD-Rに起動ディスクを焼き、そこから起動してインストールする方法が紹介されていた。それにしたがって作業した。

起動ディスクから起動して、インストールする前に、まずディスクユーティリティでいったんHDDを初期化しなおす。その後Lionをインストールし、完了後にTimeMachineにバックアップしてあった既存のデータを移行する。そこまで含めて半日かかった。いまのところ、とくに大きな問題は生じていない。

気づいた点としては、起動ディスクからのインストール作業中は、マジックトラックパッドでは、カーソルの移動はできても、なぜかクリックができないということくらいだろうか。

マジックトラックパッドを導入してから、まだひと月くらいしか経っていないので、ぼくの使い方がわるかっただけかもしれないのだが、ともかく、クリックできないことにはどうにもならない。

そこで、その前の7年ほどにわたり愛用していたケンジントンのトラックボールを再び取り出してきて、接続してみた。こちらのほうは問題なく作動した。むろんクリックも効く。

Lionでは、長年つかってきたCS2が動かない。新しく買い直そうかと考えないでもなかった。だが、やたらに莫迦高く、おまけに抱きあわせ販売で不要なアプリケーションまであれこれインストールさせられるアドビ商法にはほとほと嫌気がさしている。

ぼくのばあい、必要なのは、けっきょくIllustratorとPhotoshopの二つだけだ。前者は、やむなく新規に買い直した。後者については、Pixelmatorあたりで代替できないだろうかとおもっている。


結婚式

ゼミOGの結婚式に行ってきた。

式は庭園でおこなわれた。小川治平衛が作ったという広い庭だった。秋のおだやかな陽射しに照らしだされていた。

真ん中に大きな池があり、それを背にして新郎と新婦がたった。

神前や仏前ではなく「人前」というのだという。牧師さまなどの代わりに、おそらくはじぶんたちで書きあげたのだろう、結婚の誓いの文章が、二人によって読みあげられた。それから指輪の交換がおこなわれ、記念写真を撮った。

池の見える建物の二階に場所を移して、披露宴がひらかれた。誰が選曲かはわからないが、会場には小さくエラ・フィッツジェラルドなんかが流れていた(そのうち初音ミクも流れた)。

心のこもった、いい結婚式だった。


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