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日にち雑記のアーカイブ

ポポレ・ミセンガ選手 (ROT) のたたかい

リオ・オリンピックが始まった。わが家でも夜になると、テレビ中継を見ている。2200から始まる柔道は、いろんな国の選手たちが出てきて試合をするというのが、延々とくりかえされる。それを淡々と見ているのが、わりと好きである。

昨夜の柔道は男子90kg級だった。2回戦で、背中に「ROT」と大書した柔道着の黒人選手が登場した。ROTってどこの国なのだろう? 見当もつかない。すると中継が「難民オリンピック選手団」のことだという。Refugee Olympic Teamの略なのだそうだ。

試合が始まった。闘志をむき出しにしたりする選手が少なくないなか、ROTのその選手は、わりに淡々としたようすでたたかった。そのうち相手が指導をうけたため、このままいけば勝ちそうという段階まで来た。ところが、そのあと相手に寝技に持ち込まれ、関節技をかけられた。腕の関節を思いきり締めあげられている。

見ていた《みの》と《なな》が「あれはとんでもなく痛いんだよ」と口々に言う。かれらは体育の授業で柔道を教わっていることもあって、それなりに知っているらしい。ふつうはあまりの痛さにとても堪えられず、ほどなく相手のからだを叩いて降参の意を示すのだそうだ。実際そのあとにおこなわれた別の試合で、同じような状況になった選手が降参するまでの時間は、2秒だった。

しかしROTのその選手は違った。ただ締めあげられるにまかせているだけで、そのようなそぶりは見せない。表情も変えない。かといって、体勢を崩そうともがくようなこともしない。ただ黙って身をまかせている。

「なかなか降参しませんね」とテレビ中継のアナウンサーが、ちょっとあきれたように言う。解説者も相槌をうつ。「痛いと思いますけどね」

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借りているのものです

市川では毎年8月第一土曜日に市民納涼花火大会がおこなわれる。

先日、江戸川土手を散歩していると、早くもこんな立て看板が出ているのを見つけた。

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「事前場所取りを禁止します」と強い調子で主張している。が、つい誤植を発見してしまった。

どこに誤植があるか、おわかりになりますか? タイトルの下、本文1行目のおわりのほうにある。

「借りているのものです」となっていますよね。もちろん最初の「の」が余分。

でも「借りているのものだ」というのも、語感としては悪くない。かわいらしくさえある。ちいさな子どもがむやみに威張ってみせているみたいで。

今年の花火大会は8月6日(土)開催。市川側だけでも49万人、江戸川区側はなんと90万人、あわせて139万人もの見物が集まるのだそうだ。

ぼくは人ごみが苦手なので、むろん行かない。音だけ愉しむつもりである。

はしごから落ちた話

ひと月以上前のことだが、はしごから落下し、左足とお尻を強打した。

はしごが何かの拍子に倒れてしまい、上にのっていたぼくだけ取り残された。そしてそのまま垂直に落下した。むかしの漫画やアニメでよくあったみたいな絵柄だった。

まず左足が着地したが、衝撃を吸収しきれず尻もちをつくような格好でお尻も強く打った。衝撃はそのまま腰まで来てしまった。

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しばらくは動けず、地面に転がっていた。その姿勢のまま、頭を打たなくてよかったなと考えていた。

なんとか立ち上がることができた。腰は痛かったが、たぶんそこまでひどくない。これまでの長い腰痛生活の経験から、そんな気がした。

意外だったのは左足だ。土踏まずのうしろから踵にかけて、ひじょうな痛みがある。ヒビでも入ったかなとおもうくらいだった。

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《なな》たちのラストゲーム

夏の高校野球の地区大会が始まり、《なな》たちのチームも試合をむかえた。

おおぜいの高校生たちが駆けつけ、元気な声で応援するなか、プレーボール。

試合は両チームとも、投手と守備陣がよく粘り、なかなか得点が入らない。どちらが勝ってもおかしくないような、拮抗した試合内容だった。

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そうして5回裏まですすんだ時点で、ぼくは仕事のために球場を後にせざるをえなかった。試合はその後、ワンチャンスをものにした相手チームにどうしても追いつくことができないまま、けっきょく負けてしまったという。

《なな》たちの高校野球は、こうして終わった。

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金森修先生のこと

金森修先生が亡くなってから一週間以上がすぎた。

お通夜に参列させていただいた。会場には金森先生の、編著を含む著作のうち9冊がならべられていた。中央に飾ってあったのが『サイエンス・ウォーズ』だ。サントリー学芸賞と山崎賞を受賞されたこの著作は主著のひとつといっていい。そして同書は、編集者時代のぼくが企画編集したものだ。

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当時金森先生は東大に移られる前で、まだ東京水産大学におられた。再開発途中の品川駅港南口から水産大までの殺風景な道を、ぼくは何度となく歩いた。いまでは水産大は合併して海洋大と名前を変え、品川駅港南口さえもすっかり様変わりしてひさしいから、思いかえすと、ほんとうに昔話という気がする。

研究室にお邪魔すると、いかにもフランス科学思想の系譜に学んだ方らしく、よくバシュラールやカンギレムの話を聞かせてくださった。だからぼくは個人的に、かれの思考はちょっと意外なほど詩的な基盤に支えられていたのだろうとおもっている。

刊行後、販促という名目でシンポジウムをひらかせてもらったりもした。たんなる一編集者だったにもかかわらず、考えてみれば、ずいぶんいろんなことを学ぶ貴重な機会を与えていただいたのだった。あらためて感謝したい。

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