Home > Tags > サンダーバード
サンダーバード
映画『カールじいさんの空飛ぶ家』
- Dec 19, 2009 12:37
- アトラクションの日常 | 日々のエッセイ | 映画を観る
煎じ詰めれば、冒頭の約10分間がすべて、という作品である。
この短い時間で、主人公カールじいさんの75歳にいたる人生を一気に回顧する。むろん漠然とではなく、本作品の主題に即して。この間の台詞はきわめて限定的であり、原則としてアニメーションだけで描ききる。その手際のよさだけでも観るに値する作品である。毎回いうのだが、かれらが映画とアニメーションをどれほど勉強しているかを端的に示しているからだ。
けれども、そこに続いて展開される物語の本体のほうには、特段すぐれた点を見出すことはむずかしい。はっきりいえば凡庸の域を出ない。もちろんそこは安心のルクソー印。夢とスリルと冒険の詰まった成長譚として、多少の破綻はみられるものの、いつもながら、ていねいにつくられている。
成長譚として興味深いのは、成長するのがひとりではない点である。それは空飛ぶ家に「味方」としてかかわったすべての関係者がそうであり、当然75歳のカールじいさんも含まれていることである。すでに長い人生経験をもつ人物が成長するという意味では、『クリスマス・キャロル』的だともいえなくもない。いずれにせよ、ここに登場する人物や動物は、何らかの欠落をかかえて社会的に周縁に追いやられたひとびとであって、そうしたところに焦点をあわせる視点が児童文学の常道であることも想起されてよいだろう。ピクサーはその伝統とメソッドをきっちり踏襲している。それが手堅い物語構築をもたらす土台になっている。今回は手堅すぎたというか、もうひとつアイディアが足りなかったようにおもわれる。
とはいえ全体は活劇仕立てとしてしっかりつくられているから、誰でも安心して手に汗にぎって鑑賞していられるだろう。巨大飛行船や、無数の風船をくくりつけて雲間を飛んでゆく家のイメージに、ラピュタやハウルの影を読み込むことも、そうしたければ、いくらでも可能だ。
ぼくが観たのはピクサー初という3Dの字幕版。昔の立体映画やら以前に存在したディズニーランドのアトラクションと同様、受付時にわたされる『サンダーバード』のブレインズみたいなゴツいフレームの専用眼鏡をかけて観る。ぼくのようにふだんから眼鏡をかけている人間にとって、二重に眼鏡をかけなければならないのは、けっこう難儀である。3D代として300円が上乗せ徴収されるが、出費に見あう効果が得られるかどうかは微妙といわねばなるまい。
本編上映前に短編が併映される。いつもながらサイレント仕立ての小品で、物語としてもよくできている。
- Comments: 0
- Trackbacks (Close): 0
Home > Tags > サンダーバード
- Subscribe SwingBooks
- Recent Posts
- Categories
-
- お知らせ・紹介 (110)
- 今日の風景 (118)
- メディア論的に考える (184)
- 考えたこと (53)
- アトラクションの日常 (27)
- ミュージカルという問題 (29)
- 書物と出版 (34)
- 執筆以外の活動など (82)
- デジタルストーリーテリング (16)
- 旅する (92)
- 映画を観る (83)
- ガジェット・買物 (32)
- 日々のエッセイ (266)
- ブログ管理 (29)
- Pages
- Tag Cloud
- Monthly Archives
- Search This Site
- Lab & Seminar
hajime-semi Blog- 口頭試問終了! Jan 30, 2012新年の挨拶をしていた先日から、気づけばすでに1月も終わる目前となりました。第36回の週報は<ジェット>がお送りします。 以前の週報でもお知らせしていましたが、ついに私たち長谷川ゼミは1月24日(火)に卒業論文の口頭試問を迎えました。 それにあたり、前日と当... […]ジェット
- 口頭試問終了! Jan 30, 2012
- Translator
- Blog Parts
- Meta






















































