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ゼミ合宿
列車のさみしさ
ゼミ旅行に行ってきた。今年は北海道、昨年が長崎だったから、ちょうど逆。「この時期安いのは寒いところだよ」と、旅行代理店に相談にいった合宿係が、カウンターのおにいさんに勧められた結果なんだそうである。
ゼミ生たちは、ヒートテックにダウンジャケットという、南極観測隊のような装備で札幌に乗り込んだ。ところが到着した札幌は、さっぱり寒くなかった。路上の雪は溶けかかり、白いはずの雪には泥が付着して汚れており、まるで春先の北海道である。夕方には降りはじめたが、雪ではなく雨。この日、最高気温は8度になったのだと、あとで知った。「ふくろう亭」でジンギスカンを食べたあと、ホテルへ戻るころにはずいぶん冷え込んできた。
翌日は雪。バスではるばる旭川まで遠征し、旭山動物園へ。行ってみると、おどろいた。気温は昨日とうってかわって氷点下、山の中腹にあって半ば吹雪になりかかっているにもかかわらず、続々と観光バスがやって来る。バスからは、モコモコに着込んだ年配旅行者たちから、この寒いのにブレザー姿の高校生までが、どしどしと吐きだされてくる。この時期の北海道の観光資源といえば、スキーとカニとガリンコ号ぐらいしかなかった時代からすれば、脅威的な集客力である。
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サマータイム
今月初めのゼミの夏合宿のことだった。時間概念にかんして卒論を書きたいという学生が、発表のなかでサマータイムの説明をしているのを聴いていた。
彼女はいった。サマータイムっていうのは、夏のあいだだけ時計の針を早めることです。たとえば正午のあと午後1時を飛ばして午後2時になる、というふうに。……えっ、そうなのだっけ!?
いうまでもなく、サマータイムとは夏のあいだだけ時刻をくりあげることだ。でも当然のことながら、そのために特定の時刻を省略してしまうという方法が採られるわけはない。単純に一時間なりを早め、たとえば実時刻午後6時を午後5時ということにして、始業や終業の時刻を前にずらすという制度のことですよね。
日本でもじっさいに戦後の数年間だけ実施されたことがあるらしいが、なにしろ西欧とちがって緯度がそれほど高くないので、サマータイムらしい日の長さを実感できるのは札幌以北くらいのものだろう。近年でも思い出したようにサマータイム導入論が唱えられることがある。省エネなど経済効果を期待してのことだろう。日本のばあい、なんでもかんでも「経済効果」なのだ。
それにしても、サマータイムになると午後1時がなくなるという学生の理解は、たしかに勘違いではあるのだけれど、そういう世界を空想してみるのは愉しい。明日からサマータイムだから、当分のあいだ午後1時はこの世から消えてしまう。アナログ時計も、正午を過ぎたあと、短針は(どうやってかは想像できないけど)けっして「1」を指すことなく、「2」へスキップしてしまうのだ。
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夏のゼミ生たち
- Jul 31, 2010 09:00
- 執筆以外の活動など
前期が始まったころ、今年度の卒論ゼミ生たちの状況が全体にかなり厳しいということを「散歩の思考」にも書いた。まじめではあるが、言われたことをこなすことしかせず、こちらの顔色をいつもうかがって、それで十分がんばっていると思いこむ。そんな姿勢だった。ゼミ長の交代を余儀なくされるなど、一時は相当に覚悟を決めねばどうにもならないとおもっていた。
ところが、その後かれらは劇的に変化した。
いまや指導教員などほぼおかまいなし。しょっちゅう卒論の話しあいやら、8月初旬に実施予定の集中講義(名前は講義だが中身はワークショップである)の準備やらを進めている。じぶんの意見もいえるし、まっとうな批判もできるようになった。批判に耳を傾けることさえできるようになった。
じぶんたちなりのアイディアも出し、それを展開してゆくこともしはじめた。昨年のゼミのやり方をそのまま踏襲するのではなく、じぶんたちに必要なことは何かをよく考えて、それを実行にうつす。夏合宿で各自の卒論テーマ決めをする予定なのだが、それに先だち「プレ合宿」と称する会合を実施したらしい。土日にわざわざ大学に集まり、ゼミ生だけで卒論テーマについてえんえん話しあっていたという。
これほど劇的に変わったその転機がいつであり、何だったのか、ぼくには思い当たらない。ぼくはぼくなりにあれこれ働きかけはした。だが決定的な処方を施したわけではない。ぼくにはそんな力はないし、それほど便利な魔法などそもそも存在しない。かれら自身が、じぶんたちの意識変革と努力によって、少しずつ、みずからの殻を破ってきた。その結果だとしか言いようがない。
ゼミ生たちのそんな姿を間近に見られるのが、大学教師という仕事の、いちばんうれしい瞬間なのかもしれない。
明日から夏合宿だ。
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10日間
集中講義が終わった。昨年とはいろいろな意味でだいぶようすが異なっていた。この授業は同じ芸術メディア系列の岡本章先生や望月京先生とのチーム・ティーチングなので、三人そろって学生企画の打ち上げに参加したのち、二次会につきあうこともなく、よたよたと帰宅。
8月に入ってからというもの、名古屋のコスプレサミット取材、ゼミ合宿、集中講義と連続して仕事がつづいた。しまいのほうは日にちや曜日がもうよくわからなくなっていた。怒濤の10日間といえばまさにそう。とにかく、これでもう前期はすべておしまい。
切替ねばならないとわかっているのだが、頭も身体も、一晩寝たくらいではそう簡単にリセットしてくれない。今日は新宿まで出た。うたた寝しながら総武線に揺られていたら、幕張から先で線路の路盤陥没のため不通とのアナウンスが入る。ここ数日の大雨やら地震やらの影響だろう。先日合宿でお世話になった伊豆は、だいじょうぶなのかしら。数日ちがったら、ぼくたちも被災していたかもしれない。
以下に、打上の席上で三年生から聞いた話を追記しておく(090812)。
学生だけで作業していた土曜日のこと。日が暮れかかると、どーん、どーんと音がしはじめた。誰かが、東京湾の花火大会だ! と叫んだ。すると食堂で作業していた三年生たちは一斉に席を立ち、ふだんはあまり立ち入らない校舎の高層階をめざして階段を駆けあがっていった。上層階に着くと、花火が見えた。みんな窓にへばりつくようにして、ガラスの向こうに打ちあがる花火をながめた。室内であるにもかかわらず、火薬の匂いと潮の香りが漂ってきた。
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パトラッシュ
ゼミ合宿に引きつづいて集中講義の真最中である。「講義」と名がついているが、ワークショップ形式なので実質は演習だ。昨年と同様「なぜ働くのか」というテーマで、討論してじぶんたちの考えをまとめ、それを上演形式にて発表するというのが課題。木曜と金曜、みっちりやった。
受講人数が去年の倍とやたらに多いこともあり、何事もおもった以上に時間がかかる。昨年も感じたことだが、とにかく学生たちには「先生たちの求めている答え」を探ろうとする姿勢が染みついている。それを崩してじぶん自身の頭で考えはじめてもらうまでに、ずいぶん手間をかけねばならない。学生たちからすれば、相当つらい授業であろう。必修だから逃げるわけにもいかない。これで苦しいところを乗り越えてくれれば、きっと小さくても何かをつかめるのだと、ぼくたちは信じているのだが。土日は授業日ではないけれど、学生たちはいまごろ月曜日の最終発表に向けて作業中のはず(そうでなければ困る)。
土曜日はオープンキャンパスということで、戸塚にある横浜キャンパスまで出かけていった。学科紹介と模擬授業をするためである。現在進行形である集中講義のようすなどを話す。明学の芸術学科に来る学生は、必ずしも全員が第一志望で入ってくるわけではないが(それは現在の日本の大学入試制度のしくみからして仕方のないことである)、じつによく勉強する。個性的で元気があり、とてもいい学生だ、という意味のことを話す。終わって片づけを始めると、「せんせー」とよばわる声がする。見れば、この春に卒業したばかりの元学生ふたりが、高校生のフリをして(まあ少々無理があるわけだが)そこに立っているではないか。ああ、よかった。変なことを言わないで。
仕事について4カ月。毎朝6時に起きて、無遅刻で出勤しているらしい。学生時分には考えられないことである。ひとりは6月にインフルエンザにかかった。卒業旅行でメキシコに行ったので、豚インフルかと案じたが、そうではなかった。しかし結果として新米の分際にもかかわらず10日連続して休んでしまった。その間ずっと自宅で伏せていたが、ある晩、夢にパトラッシュが出てきた。あのときはさすがにあたし、いよいよダメかとおもいました、という。
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ゼミ合宿

コスプレサミットに引きつづいてゼミ合宿。名古屋から名鉄と東海道線、伊東線、伊豆急線と乗り継いで伊豆高原へ。ここでWCS取材の名古屋組以外のゼミ生と合流した。わざわざ名鉄に乗ったのは、制服がかわいいという噂を聞きつけたゼミ生の発案である。噂どおりなのかどうかはわからないが、女性駅員の夏服がチョーかわいかった! のだそうだ。
ペンションを借りきって、2泊3日のゼミ合宿。主眼は、卒論のテーマと目次案を固めること。ひとり20分ほど発表したあと、ディスカッション。だいたい1時間くらいかかるから、全員終わるころにはみっちり12時間かかる勘定だ。
テーマは、じぶんでいうのもなんだが、じつに多彩である。コスプレ、同人活動、BL、アニソンといったあたりはもとより、伊集院光やナンシー関などのアーティスト論、書体デザイン、新々宗教のメディア戦略、子どもの遊び、ディスニーランド論。「郊外」における犬を飼うことのイメージの変遷、というのまである。その学生にとって大切な事柄をテーマに選ぶことを尊重しているので、みんなテーマに入れ込みまくっている。ひとつひとつの発表が濃い。
発表を聞くとき、かつて水越先生がそうしてくださったのに倣って、憑依するイタコのように、その子にシンクロさせながら話を聞く。かれらが言葉で表現できることが関心事そのものであるとは限らないからだ。言葉にならない声を、語られる言葉の背後に探らなければならない。これを12回くりかえす。しまいには、もう何もかも吸いとられたような状態になる。
さいわい予定から大きく遅れることなく、2日目の夕方までには全員の目鼻がつくところまでたどり着くことができた。その晩は夕食後に花火をした。音のでない花火でなければならないというので、線香花火のようなものばかり。ペンションのある森の一角にもうもうと煙がたちこめる。何事かと顔をだした猫が、あわてて側溝へ飛び込んで走り去っていった。
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hajime-semi Blog- 口頭試問終了! Jan 30, 2012新年の挨拶をしていた先日から、気づけばすでに1月も終わる目前となりました。第36回の週報は<ジェット>がお送りします。 以前の週報でもお知らせしていましたが、ついに私たち長谷川ゼミは1月24日(火)に卒業論文の口頭試問を迎えました。 それにあたり、前日と当... […]ジェット
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