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ディズニー

映画『トイ・ストーリー3』

「トイ・ストーリー」シリーズの最終回(?)の主題は、成長と別離だ。

子どもから大人になること。そこで不可避に生じる別離をめぐる葛藤。それを巣立つ側と見送る側とがそれぞれのやり方で受け容れ、乗り越えてゆくこと。成長と別離はアメリカの現代文学がくりかえし描いてきた主題であり、ハリウッドでも若者向け作品を中心にやはり同様に反復されてきた。この主題にピクサーがどう挑戦するかが、本作品の見どころである。

結論を喩えていえば、一勝一敗といったところか。まず一勝のほうから。

主人公の人形は、大学入学を控えるまでに成長した持主の少年と、いよいよ別離を覚悟しなければならない時期をむかえることになった、という設定から物語が始まる。わかれたくない、一緒にいたい、という気持ちと、しかしそこにはじぶんたちの居場所はないという現実とのあいだで、少年も、おもちゃたちも、それぞれが烈しく揺れ動く。おもちゃと子どもとは、もとより棲む世界が異なっている。おもちゃはいつまでもおもちゃであるが、子どもはやがて大人になる。両者の蜜月はいつか終わる。それをそれぞれの仕方で受け容れることが、つぎのステップへつながる。

その意味でこの作品は、ウィニー・ザ・プーの変奏、もしくはリベンジである。

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映画『アリス・イン・ワンダーランド』

109分間、存分に味わうことができる。焼け跡を眺めているような気分を。

スクリーンを徘徊するのは、高度な映像技術ばかり。アリスの物語のwonderな部分をとことん陳腐に解釈し、よくある魔法世界の冒険活劇に矮小化しただけだ。アリスであることの必然性などどこにもない。派手なVFXとは裏腹に、設定も人物も物語も手垢まみれだ。

「実在」にたいするおどろくほどナイーヴな世界観が、この物語の脆弱な土台をなしている。アリスの「成長」とは、彼女にとってなんら必然性のみえない者を、正義の名の下に殺すことだ。その手の構図は、もうすっかり乗り越えられたのだとばかり思っていたのだけどねえ。剣を手にした瞬間に彼女の唇にうかぶ笑みは、もう立派な殺戮者のそれである。

アリスの「優秀さ」を示すものとして描かれるエピソードも、ナイーヴさの度合いにおいては負けていない。たんなる帝国主義の尖兵でしかないからだ。その彼女が次に搾取におもむこうとする先は、どこあろう中国である。

むしろ21世紀におけるウォルト・ディズニー・カンパニーの欲望がもっとも端的かつナイーヴに表現された作品というべきであろう。


新著『アトラクションの日常』刊行!

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新しい著書が刊行される。『アトラクションの日常──踊る機械と身体』(河出書房新社)である。

わたしたちの日常生活の各所には、いまや無数の〈アトラクション〉が繁茂している。〈アトラクション〉とは、機械と身体がふるまいを媒介にして縫合されることによってつくりだされるシステムのことだ。わたしたちはふだんそれと意識することなく、そうした〈アトラクション〉にみずからはまり込んでゆく。そこは無時間的な「ユートピア」である。ちょうど東京ディズニーリゾートのように。

この〈アトラクション〉という概念を手がかりに、現代の日常生活のさまざまな現場──たとえば車窓、ターミナル駅、流れるプール、スーパーやコンビニ、郊外の住宅地、そして東京ディズニーランド──を分析する。そこに見られる身体を読み解くにあたり、乗物、絵本、ミュージカル、そして映画が参照されることになる。

昨秋からこの春までかかって書きあげた。『思想』に寄稿した論文と重なって、もうこの春は精も根も尽き果てた。が、それで終わったのではない。ゲラと格闘し、図版を集め、レイアウトにいたるまで心を配った。よい編集者とデザイナーに恵まれたこともあり、いまぼくが書くべきテーマを、いまのぼくの力でできるかぎり探求し、それにもっともふさわしい形を与えられて、できあがったのが本書だといえる。ぶじに刊行をむかえて、心からうれしい。

発売は七夕。どうかよろしくお願いします。


近日到来アトラクション

『アトラクションの日常──踊る機械と身体』。

かねてより準備してきたぼくの新著である。すべての編集作業が完了し、まもなく河出書房新社から刊行される運びとなった。

こちらから版元の新刊案内のページに飛ぶことができます。

わたしたちの日常の身体を、ディズニーリゾートに象徴されるテーマパークとミュージカルや映画を足場に〈アトラクション〉という概念で読み解く、というもの。

詳しいことは、後日また。まずはお知らせまで。


ディズニー・ゼミ

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ゼミでディズニーランドへ行った。シーのほうへ行きますといって、そちらへ行った者もいる。

学生には、今日は観光客ではなく、メディア論のフィールドワークとして行くのだから、そこんとこまちがえないように、と釘をさしておいた。かれらもそれなりに心得ていて、ポイントを絞って観察してメモをとったり、写真を撮ったりしていたようだ。あとはレポートを見てのおたのしみ。

なお始まったばかりの新アトラクション「モンスターズ・インク ライド&ゴーシーク」については、「ビミョーでした」とのこと。

ぼくはD300をかかえて園内をふらふらさまよい、エレクトリカルパレードを見てから帰った。ニコン純正のGPSユニットGP-1を買ったので試してみた。バッテリの減りの速さは、予想以上だった。


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