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五稜郭
テナント募集
夕方に函館に着いた。ちょっとショックだったのは、前にも増してお店がなくなっていることだ。
五稜郭の交差点など、四つある角のうち一つが銀行、あと三つが商業系なのだが、まがりなりにも灯りがついているのは丸井今井のデパートだけ。昨年は営業していたような気がするお店も、今年は軒並み「テナント募集」の札がかかっている。はなの舞やら和民やらのチェーン店のネオンサインがやたらに目立つ。
これが一繁華街の局所的な事情に過ぎないのか、日本の地方都市全体にいえる傾向のあらわれなのか、ぼくにはなんともいえない。函館といえば観光地として華やかなイメージだが、都市動態としてみれば、人口の減りつづける縮小都市のひとつだという。よそ者のぼくの目には、訪ねるにも住むにも、いい町にしか見えないのだけれど。
昨年までぼくが通っていたお店も閉めてしまっていた。今年は行く店がない。とりあえず、ハセガワストアの焼き鳥弁当を買って、今晩はホテルの部屋に籠もることにした。
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俺ん家にて

函館では夜は居酒屋俺ん家にいく。
五稜郭の交差点をすぎて道をくだってゆく。道にはスピーカーで広告が放送されている。なぜか「お祭りマンボ」が流れている。暗い空に白く浮かびあがる五稜郭タワーが近づくと、店はすぐ。純和風の炉端焼きだが、マスターは音楽、わけてもエリック・クラプトンが大好きで、その手の展示と音楽とが、魚の焼ける煙とともに店内を満たしている。
夜ごと3-4本のビデオを見せてくれる。どうもぼくに見せたいプログラムが組まれているらしい。清志郎のライブであったり、この6月のハイドパークやリバプールの野外コンサートであったり、ロックの歴史のドキュメンタリーであったりする。
昨晩は、なんのはずみかロイ・オービソンはいいですねという話になり、するとマスターは、かれが1988年に亡くなる直前に結成された伝説のバンド「トラベリング・ウィルベリーズ」のドキュメンタリーを見せてくれた。
閉店となって外へ出、暗い裏道をホテルへ歩く。函館滞在もまもなく終わりだ。
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Char@炉ばた 俺ん家
- Sep 15, 2007 08:49
- メディア論的に考える | 北海道 | 旅する

函館滞在中は「炉ばた 俺ん家」に通うことに決めている。五稜郭近くにあるこの店は、昨年見つけた。店構えも内装もメニューも、なにもかも完璧な炉端焼きの店なのに、流れる音楽はエリック・クラプトンだ。それを狙いでやっているのでないのが、またいい。
毎晩、音楽のメニューも用意されている。今回は、マスターお気に入りの番組の録画。「Char Meets ????: Talking Guitar」という、フジテレビがCSで放送している番組だ。
チャーが気になるギタリストをゲストによび、トークとセッションを繰り広げる。といっても、前半ひたすらチャーがしゃべりまくり、途中からひたすらふたりのセッションがつづくといった風情で、かなり濃い。ゲストによって、演奏するセッションのテイストがまるっきり異なる。渡辺香津美の回はずいぶんジャジーだし、泉谷しげるのときはひたすらストロークである。坂崎幸之助の回はたのしく、ジェイク・シマブクロの回は圧巻だった。
観ていて愉しいが、つくっているほうも愉しいだろう。とはいえ予算はなさそうだし、放送も不定期らしいから、苦しいことも多いに違いない。苦しいが同時に愉しいという葛藤状態のことを、ある先生が「くるたのしい」と表現した。この言葉は、この番組の作り手たちの気分によく当てはまるのではないか。
くるたのしさが発するオーラを、地上波のテレビ番組から感じることがなくなって久しい。この番組の印象にいちばん近いものはなにか。ぼくの感覚のなかで探しだすとすれば、それはある種のラジオ番組か、ある種の雑誌である。
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