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学生

2011年度卒論ゼミのウェブサイト開設

2011年度のゼミ生たちのウェブサイトが開設されました。
http://www1.meijigakuin.ac.jp/~hhsemi11/

ぼくのゼミでは、ウェブサイトは大学のサーバをつかっている関係もあって、年度が変わるたびにゼロから新しく立ちあげています。

これにたいしブログのほうは、ジュゲムを利用させてもらっており、代々同じものを引き継いでいます。スキンはウェブ編集長の学生の好みでそのつど変更しているので、見た目は年度ごとに異なっていますが、過去の投稿分も全部アーカイヴされています。ブログの今年度版は、すでにひと月前から始まっています。
http://hajime-semi.jugem.jp/

いずれもゼミ生たちがじぶんたちで企画制作しています(ぼくはほとんど口を出していない)。温かく見守ってやっていただければ幸いです。


東北地方太平洋沖地震

幾人かの学生たちから「無事です」と連絡をもらいました。とりあえず、無事でよかった。卒業生のなかには、仕事先で被災して帰宅できず、ツイッターだけを頼りに都内で一夜を明かした子もいたようです。これから帰宅するという。自宅に帰りつけますよう。

また、被災地に実家や親族のある学生も少なくないので、気がかりです。

被害があまりに甚大で、言葉になりません。心からお見舞い申しあげます。


よしもとライブ

新宿南口のよしもとtheルミネでライブを見てきた。お笑い大好きを自認する学生が企画してくれたのだ。ぼくのほかに学生5名、計6名で出かけていった。ぼくは仕事でちょっと遅れて会場に着いた。受付で、なぜだかオロナミンCを1本、手わたされた。

ふだんほとんどテレビを見ない。最近のお笑いのようすなどさっぱりわからない。10組ほどが出演したが、トリで出たトータルテンボスをかろうじて知っていたくらいだった。どれもけっこう漫才の枠組みに則っているのが興味深かったのだが、例外が2組あった。このうちのひとつが「もう中学生」。かなり異色におもわれた。

あれをなんと理解すればいいのだろう。ネタのほうは、これでいいのかというくらい貧弱、むしろそのキャラで見せるというタイプらしく、そこが今様といえば今様である。えらい筋肉質のおにいさんがひとりでやっているのだが、かれがまるで小森のおばちゃまのようなしゃべり方をして、やはり小森のおばちゃまのように意味不明のことをひたすらしゃべる。見ていて、おもしろいのかそうでないのか判然とせず、宙ぶらりんな気持ちにさせられる。

それも含めて、全体をとおしてひじょうにおもしろかった。

印象深かったのは、くりだされるネタの大半(ざっと8割がた)が、テレビ番組やCMの場面をもとにしたものであったことだ。テレビは終わった、マスメディアは凋落したということがいわれるようになって久しいが、それでもテレビが国民文化の共通基盤を提供しているという図式は、少なくともまだ消滅したわけではない。いまのお笑いからテレビを抜いたら、ネタが成立しなくなってしまうかもしれない。

以前にある大学で教えていたとき、学生のなかに何人も「将来はお笑いの世界にすすみたい」といっている子がいた。かれらにとって、憧れであり、挑戦しがいのある仕事なのだろう。それもまた、テレビのそうした機能が関係しているのだろう。

つぎは渋谷のヨシモト∞ホールへ行こう、という話が、早くも出ている。


勝手にクリスマス・エクスプレス2010(3/3)

疎遠なものを結びつけるのは、儀礼のもつ働きのひとつである。クリスマスもまた儀礼の一種であり、そこからいくつかの変換過程をへて、現代日本では恋愛イベントという認識が通有されている。

クリスマス・エクスプレスもまた、そうした認識を下敷きにしている。だからそこでは、新幹線は、離れていた彼と彼女を結びつけるメディアとして、自己の「魔法つかい」ぶりを発揮してみせる(それがJR東海という企業のイメージアップへとつながるよう設計されている)。新幹線というメディアの助力によって、恋愛状態にある男女が、年に一度、純粋に結びつけられるという「いい話」が描かれるわけだ。

ところが、今日こうした「いい話」パターンをそのまま踏襲するのは、じつはたいへんむずかしい。どこか嘘っぽくなってしまうのだ。だから今回製作した3本のうち、この枠組みをオーソドックスに踏襲しているのは、前述どおり、作品2のみである。もう一度この作品に注目してみよう。

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勝手にクリスマス・エクスプレス2010(2/3)

後期の授業が始まって以来、試行錯誤を重ねながら少しずつ作業を進め、クリスマス直前にようやく作品が完成した。院生が各自1本つくったから、全部で3本できあがった。

美大や専門学校ではなく人文社会系の大学院生が製作したものなので、もちろん技術的に拙い部分があるのは否めない。撮影機材は、各自手持ちのデジタルビデオカメラ、ケータイの動画機能、デジタル一眼の動画機能とさまざまであり、それをパソコンに取り込んで編集した。そしてみんなで試写会。いずれの作品もすごくおもしろかった。

各作品の設定や物語をまとめておこう。

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勝手にクリスマス・エクスプレス2010(1/3)

クリスマス・エクスプレスは、JR東海が1988年から1992年までクリスマスシーズンに流していたテレビ・コマーシャルのシリーズである。

「なつかCM」みたいな懐古番組の定番であるうえに、いまではYouTubeなどにも映像があげられており、誰でも見ることができる。また、Wikipediaをあたれば、やたら詳細な解説を読むこともできる。ちなみに個人的にもっとも好きなのは、牧瀬里穂の登場する1989年版である。

このCMは、札束が幅を利かすバブル末期において、若者のある種の「純愛」的な場面をクオリティ高く描いており、山下達郎の名曲「クリスマス・イブ」がつかわれたこととも相まって、当時から高い評価をうけていた。いま見ても、いろいろな意味でじつによくできていると感心させられる。

授業でこのCMをよくみせる。ぼくは日本のクリスマス文化について関心があるのだが、20年前のこのCMは、いまでも日本的クリスマスを考えるうえで、最良の教材のひとつであるとおもうからだ。

で、前々から考えていたことを、今年は試してみることにした。大学院の授業で「もしクリスマス・エクスプレス2010をつくるとしたら?」という課題に挑戦したのである。

といっても、よくあるような、「パロディ」と称しながら、そのじつパロディでもなんでもないような真似っこづくりではない。授業なのだし。やり方は、こうだ。

まず、88年から92年、それにエクストラとして2000年に放送されたクリスマス・エクスプレスの全作品を分析する。作品ごとにすべてのカットを絵コンテに落とす。それをもとに、作品を構成要素ごとに整理し、それらがどのように組みあわされているか、そしてそれが何をあらわそうとしているかを検討する。全作品に共通する要素があれば、それがこのシリーズに一貫性を与えている枠組みであると、さしあたり言えるだろう。

たとえばそれは、国鉄分割後に誕生したJR東海という企業のイメージCMという大枠であったり、日本的クリスマスのイメージを喚起させる典型的なアイテム群であったり、クリスマスを恋愛における一大イベントとみる信念であったり、遠距離恋愛という具体的なシチュエーションであったり、「すれ違い」ものというプロットパターンであったり、女性を中心にとらえる視線であったり、ソフトフォーカスや細かいショットのつなぎ方といった技法であったり、離れていた彼女と彼とをぶじに結びつけたあと最後に「どや顔」で走り去ってゆく(いまはなき)100系新幹線の後ろ姿であったりするだろう。

それらを受け継ぎつつ、しかし2010年の今日の状況に照らしあわせて、企画を考案し、やはり絵コンテを切り、じっさいに60秒の映像作品として製作するのである(今回はデジタルストーリーテリングではない)。

なお、ぼくの授業において、作品製作を含むワークショップという形式は、ありがちな製作技法を教え込むことを目的としたハンズオンなのではない(ただし結果として技法を教えることも含まれる)。そうではなく、あくまで実践をとおしてさまざまなメディア論的課題をあぶり出すための方法として、これを採用している。実践してみることで初めて気づかされることは少なくない。それをもとに、さらに考えを深めてゆく。そういうアプローチなのである。

勝手にクリスマス・エクスプレス2010(2/3)へつづく


語りはじめる学生たち

毎度おなじみデジタルストーリーテリング。毎年2年生を主対象とした授業の後期で実施している。今年もまたその季節が来た。

デジタルストーリーテリングでは、スチール写真をつかってスライドショーみたいな映像作品をつくる。ただし、よくある映像制作ワークショップのように、テレビや映画の真似事をすることが目的ではない。たしかに受講生は結果として制作技法を習得することになるが、あくまで副産物である。主眼は、映像制作の専門家ではないふつうのひとびとが、いかにして映像をとおしてみずからを物語るか、ということにある。

ぼくの授業でもこの考えを踏襲している。企画の条件は、どんな題材でもいいが、いまじぶんが切実に語らなければならないこと、である。

欧米の実践者たちの話を聞くと、ひとびとはあらかじめ言うべきストーリーをかかえており、ただマスメディア中心の社会ではその回路がなかっただけなのだということが前提されている。

ところが、ポストモダン日本では、そう簡単にはいかない。学生たちの多くは、意識的あるいは無意識的に、じぶんが語るべきことを胸の奥深くに格納し、幾層ものシールドでコーティングしてしまっている。もっとも大切なものは、けっして周囲に悟られてはならず、表面上はひたすら、仲間内のなかでポジションを維持するための「キャラ」を演じていなければならないからだ。

問題は、そうしているうちに、隠していたはずの「語るべきこと」が何だったのか、当人にもよくわからなくなってしまうことである。そんなものは最初から無かったのかもしれないとさえ、おもわれてくる。

だから、「切実に語らなければないこと」などといわれても、すぐに見つけられるわけがない。10月末からアイディアの発表を始めたが、案の定、最初はいかにもステレオタイプなものか、あまりに浅いものばかりだった。そこで差し戻しとなる。

本当のスタートは、そこからだ。

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「女子展」ご案内

わが明学・芸術学科の2年生女子3名が「女子展──かわいいだけじゃないのよ」をひらきます。タイトルだけだと何のイベントかよくわからないかもしれませんけれど、写真展です。どうぞお出かけください。

日時:2010年11月13日(土)11:00-18:00、14日(日)11:00-16:30
場所:アップステアーズ・ギャラリー(代官山)


夏のゼミ生たち

前期が始まったころ、今年度の卒論ゼミ生たちの状況が全体にかなり厳しいということを「散歩の思考」にも書いた。まじめではあるが、言われたことをこなすことしかせず、こちらの顔色をいつもうかがって、それで十分がんばっていると思いこむ。そんな姿勢だった。ゼミ長の交代を余儀なくされるなど、一時は相当に覚悟を決めねばどうにもならないとおもっていた。

ところが、その後かれらは劇的に変化した。

いまや指導教員などほぼおかまいなし。しょっちゅう卒論の話しあいやら、8月初旬に実施予定の集中講義(名前は講義だが中身はワークショップである)の準備やらを進めている。じぶんの意見もいえるし、まっとうな批判もできるようになった。批判に耳を傾けることさえできるようになった。

じぶんたちなりのアイディアも出し、それを展開してゆくこともしはじめた。昨年のゼミのやり方をそのまま踏襲するのではなく、じぶんたちに必要なことは何かをよく考えて、それを実行にうつす。夏合宿で各自の卒論テーマ決めをする予定なのだが、それに先だち「プレ合宿」と称する会合を実施したらしい。土日にわざわざ大学に集まり、ゼミ生だけで卒論テーマについてえんえん話しあっていたという。

これほど劇的に変わったその転機がいつであり、何だったのか、ぼくには思い当たらない。ぼくはぼくなりにあれこれ働きかけはした。だが決定的な処方を施したわけではない。ぼくにはそんな力はないし、それほど便利な魔法などそもそも存在しない。かれら自身が、じぶんたちの意識変革と努力によって、少しずつ、みずからの殻を破ってきた。その結果だとしか言いようがない。

ゼミ生たちのそんな姿を間近に見られるのが、大学教師という仕事の、いちばんうれしい瞬間なのかもしれない。

明日から夏合宿だ。


白熱教室の学生たち

教育テレビの『ハーバード白熱教室』が話題である。ぼくも数回みた。前にNHKの中のひとから、この番組の特徴は、視聴者層が偏らず、どの層からも一定の視聴率をとれる点にあるのだと教えられた。いろんな形で読み解くおもしろさがあるということだろう。

ぼくの目から見ると、番宣のポイントとは裏腹に、講義の中身については、まあそんなものかという感じ。社会学的な頭には、政治哲学的な──というかサンデル教授の議論の組み立て方は、整理が行き届いて論理的に緻密かもしれないが、その前提がナイーヴにおもわれてしまう。

見どころは、中身よりもむしろそこに展開する授業の光景である。かれらの文化の中心に、まさに弁舌が息づいているさまをありありと見てとることができる。

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