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岩波書店

本は、これから

池澤夏樹編『本は、これから』(岩波新書)が刊行されました。ここに「「本ではない本」を発明する」という小篇を寄稿しています。大学で実践してきたワークショップがもとになった論考です。どうぞ、よしなに。


書評を書きました

共同通信配信の読書欄に、藤井淑禎『高度成長期に愛された本たち』(岩波書店、2009年)の書評を書きました。

原稿を提出したのが2月の半ば。3月7日ごろに掲載されたようです。「ようです」などと曖昧なのは、通信社の配信記事のため、あちこちの地方紙に同時多発的に載るからです。掲載紙の現物はぼくも見ていません。スキャンした画像のいくつかを担当の記者の方からPDFで送ってもらいました。


『思想』とグーグル和解

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グーグル・ブック検索に絡んで、グーグルと米国の著作者団体が締結する和解が、ベルヌ条約を介して日本にも波及し、春にはグーグルによる公告もなされた。2003年に出版したぼくの著書も対象になっているらしい。

グーグルが、書籍のデジタル化や公開を視野におさめたプロジェクトを開始したのは2004年だから、もう5年も前のことだ。ぼくはこの問題にかんして論文を書いたこともあるのだが、しかしこれまでは、日本の出版業界のなかでまじめに耳を傾けてくれるひとは、ほぼ皆無だった。いまになって日本の出版産業は大騒ぎしているが、これまでの経緯も文脈も理解できているようにはおもわれない。そのさまは、新型インフルエンザで大騒ぎしているようすと二重写しになる。

で、このグーグル和解に関連して、発売中の『思想』6月号(岩波書店)が小特集を組んでいる。中心にあるのは、2月に The New York Review of Books に載ったロバート・ダーントンのエッセイの翻訳だが、そこに実務家による解説や歴史家による論考がならぶ。

かくいうぼくも、論文を寄稿している。題して『〈書物〉の不自由さについて──〈カード〉の時代における人文知と物質性』。グーグル的な様相をどう捉えるべきか、というようなことについて、メディアの思想的問題として書いた。

今日日『思想』がどれだけのひとの手にとられるものかぼくは知らないが、この小特集は一読の価値があるとおもう。


科学と絵本

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お知らせ二つ。

11月に日本科学未来館で行った座談会を採録したものが、「座談会 “神経神話”が問いかけるもの──科学と社会の関係を考える」と題して『科学』(岩波書店)3月号に掲載された。ダイジェストではあるが、議論のツボはまずまず適切に押さえられている。座談会の記事につづいて、仕掛人・司会のひとり佐倉統先生が、この座談の内容と意義をまとめておられ、わかりやすい。

例の納豆ダイエット捏造番組の騒ぎでもわかるように、科学的言説が、科学者集団の外部で引き起こす問題は、なんだかものすごいものがある。ゲーム脳やテレビ脳はもちろん、水からの伝言とか。で、そういうものをしっかり見きわめるために科学リテラシーを修得しようというのが、ここ数年高まりつつある科学技術コミュニケーション論のひとつの柱である。それは間違いなく大切だろう。と同時に、それだけでは足りない。なぜ、ひとびとがこの手の似非科学的言説を歓迎し、それを増幅させていくのか。そこの部分もしっかり見きわめていく必要がある。啓蒙の光は、必ず闇をともなう。その光と闇の関係を考えていくことも大切なのではないか。これがこの座談における、メディア論の立場からのぼくの主張と提案である。

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お知らせの二つめは、延藤安弘先生からご案内いただいた「世界の住まいとまち絵本展」だ。東陽町にある竹中工務店の Gallery A4 で、3月1日から開催されている(4月13日まで)。

延藤先生は、住民参加型まちづくり──先生の言葉を借りれば「まち育て」──を早くから唱導してこられた日本におけるパイオニアのひとりである。ワークショップという手法の紹介者・先達でもある。以前に『「まち育て」を育む──対話と協働のデザイン』という御本を編集させていただいて以来のご縁だが、まちづくりのこうした参加型の手法は、いまメディア論でも用いられようとしている。

今回は、先生が長年にわたって集めてこられた絵本のコレクションの展示。シンポジウムや絵本づくりワークショップなども企画されている。また、みずからがかかわった全国各地での実践を、写真と語りで紹介する「幻燈会」もひらかれるという。

ところで、この二つ、まったくの偶然で同時期にぼくのところへ来た話なのだが、組合せてみると案外いけるのではないか。科学リテラシー育成に、絵本づくりワークショップを活かせる余地は多いにあるだろう。


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