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映画
映画『トイ・ストーリー3』
- Jul 21, 2010 11:49
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「トイ・ストーリー」シリーズの最終回(?)の主題は、成長と別離だ。
子どもから大人になること。そこで不可避に生じる別離をめぐる葛藤。それを巣立つ側と見送る側とがそれぞれのやり方で受け容れ、乗り越えてゆくこと。成長と別離はアメリカの現代文学がくりかえし描いてきた主題であり、ハリウッドでも若者向け作品を中心にやはり同様に反復されてきた。この主題にピクサーがどう挑戦するかが、本作品の見どころである。
結論を喩えていえば、一勝一敗といったところか。まず一勝のほうから。
主人公の人形は、大学入学を控えるまでに成長した持主の少年と、いよいよ別離を覚悟しなければならない時期をむかえることになった、という設定から物語が始まる。わかれたくない、一緒にいたい、という気持ちと、しかしそこにはじぶんたちの居場所はないという現実とのあいだで、少年も、おもちゃたちも、それぞれが烈しく揺れ動く。おもちゃと子どもとは、もとより棲む世界が異なっている。おもちゃはいつまでもおもちゃであるが、子どもはやがて大人になる。両者の蜜月はいつか終わる。それをそれぞれの仕方で受け容れることが、つぎのステップへつながる。
その意味でこの作品は、ウィニー・ザ・プーの変奏、もしくはリベンジである。
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映画『アリス・イン・ワンダーランド』
- Jun 5, 2010 10:00
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109分間、存分に味わうことができる。焼け跡を眺めているような気分を。
スクリーンを徘徊するのは、高度な映像技術ばかり。アリスの物語のwonderな部分をとことん陳腐に解釈し、よくある魔法世界の冒険活劇に矮小化しただけだ。アリスであることの必然性などどこにもない。派手なVFXとは裏腹に、設定も人物も物語も手垢まみれだ。
「実在」にたいするおどろくほどナイーヴな世界観が、この物語の脆弱な土台をなしている。アリスの「成長」とは、彼女にとってなんら必然性のみえない者を、正義の名の下に殺すことだ。その手の構図は、もうすっかり乗り越えられたのだとばかり思っていたのだけどねえ。剣を手にした瞬間に彼女の唇にうかぶ笑みは、もう立派な殺戮者のそれである。
アリスの「優秀さ」を示すものとして描かれるエピソードも、ナイーヴさの度合いにおいては負けていない。たんなる帝国主義の尖兵でしかないからだ。その彼女が次に搾取におもむこうとする先は、どこあろう中国である。
むしろ21世紀におけるウォルト・ディズニー・カンパニーの欲望がもっとも端的かつナイーヴに表現された作品というべきであろう。
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