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雲見
西伊豆・雲見の旅(4/4)

砂浜で、子どもたちは波打ち際に足をつけてちゃぷちゃぷと遊んでいた。かとおもうまもなく、石切をしはじめる。延々と2時間も。そのうち、波間に浮かぶ海藻を引きあげて、それを泥で固めて「お城」をこしらえた。


泊めてもらったのは民宿・自涌泉。塩辛くてよく温まる温泉に浸かり、海の幸たっぷりの夕食をいただいて、早々に寝てしまった。たぶん11時間くらい布団に入っていただろう。

翌朝、帰り際にもう一度砂浜に寄ってみると、昨日の「お城」はもうすっかり、影も形もなくなっていた。

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西伊豆・雲見の旅(3/4)

雲見クジラ館は砂浜を見守るように建っている。2階には、1980年代にこの浜に打ち上げられ、自重で胸部を圧迫して死んだというセミクジラの全身骨格が展示されている。
あわせて漁具類もならぶ。相互の関連性はよくわからないが、どれも寄贈者が雲見の漁師や民宿の名である。なぜか日本刀もある。抜いてみると、途中でポッキリ折れていた。本物かどうかはわからない。解説のパネルは手書き。雲見をあげてこのクジラをとても大事にしているのだろう。ここの展示からは、そんな温もりが強力に放射されている。

見学後には、トコロテンがサービスとして出される。これがさっぱりして、とってもおいしい。ここにふりかけられた海苔がまたいい香りだ。《あ》は生まれて初めてトコロテンをたべるのだという。信じられないことだが。
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西伊豆・雲見の旅(2/4)
烏帽子山は雲見の象徴のような山らしい。海中から突如として巨岩がせり上がったような釣り鐘型の山容だ。標高163m。遠く堂ヶ島あたりからもよく目につく。

国道脇の鳥居から、延々と続く石段を踏みしめて登る。石段が尽きると、こんどは山道だ。《くんくん》が先頭にたって歩く。鳥居から20分ほどで、白っぽい巨岩の下に貼りつくようにして建てられた社に到達する。ここが山頂だ。

社の向こうに尖った岩が屹立していて、そこに潜水艦の司令塔にかけられたラッタルのような階段が据えつけられている。手すりはすでに朽ちてなく、支柱だけが錆びて立っている。

よじ登ると、そこはまさに岩の先端だ。360度の文字どおりのパノラマ。千貫門という岩山や川沿いの集落など、雲見周辺の地形が、まるでジオラマのように眺望できる。

松崎や堂ヶ島のようすもくっきり。駿河湾の彼方には、富士の白い山容が青空に浮かぶようにして見える。

冬場は西風が強いにちがいない。この日はさいわい風もなく、穏やかな陽射しに照らされていた。
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西伊豆・雲見の旅(1/4)

西伊豆は雲見に行ってきた。松崎から先のマーガレットラインは、桜がちょうど満開。浜のあらわれるごとに集落がある。岩地、石部、そして三つめが雲見だ。

雲見に巨大な塗り壁のような建物はない。川沿いの中心部は、3分歩けば通りぬけられるほど。

びっちりと漁師家が建ち並び、その多くが民宿を営んでいる。ひとがやっとすれちがうことができるほどの路地が迷路のように入り組んでいる。

早くも燕が飛来し、橋脚や軒の下で巣をかけはじめていた。
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