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NHKラジオ

「つながるラジオ」でクリスマス

12月4日(木)午後4時5分から、NHKラジオ第一の「つながるラジオ」という番組中の「ラジオ井戸端会議」というコーナーにゲスト出演することになりました。

この番組では1日(月)から4日間連続でクリスマスを特集するとのこと。ぼくの出演はその最終日。日本のクリスマス文化について語る、という役まわりなんだそうです。

ただいま選曲の作業中なのだが、これがなかなかむずかしい。去年の「クリスマスソング三昧」(NHK-FM)は9時間あったけど、今度はおしゃべり中心なので3曲だけ。もう王道でいくしかないか。

番組のサイトはこちら。メールやFAX、お待ちしてます。


クリスマスは終わった・会長人事

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ラジオ番組は、おかげさまでぶじに終えられた。小林克也さんのDJは、間近で見るとさらにすばらしかった。その克也さんにお話をうかがうという光栄に浴したぼくの初ラジオ出演は、これ以上なく恵まれたものだったといえるだろう。克也さんはずいぶんサポーティヴに接してくださったし、スタッフのみなさんにも支えていただいた。ヨタヨタとではあれ、役割を果たすことができたのであれば、うれしい。誤算といえば、せっかくトナカイのかぶり物を用意していったにもかかわらず、モニタ用のヘッドホンができないため、かぶることができなかったこと。

出番以外はずっと副調整室にいた。リスナーのみなさんからつぎつぎとリクエストとメッセージが届く。そのなかから曲を選ぶのは克也さんだ。あいまに「東京クリスマス・ストーリー」という小話を朗読する。つづいて曲が流れる。おもわず「そうくるか!」とスタッフも唸る。DJって、編集者なのだ。スタッフは音楽とラジオが好きなひとたちばかりで、ラジオのこちら側と向こう側が四つに組んでひとつの番組をつくりあげているという手触り感がある。とりまく状況はご多分に漏れず厳しいけれど、やっぱりラジオはいいなあ。

──といっていたら、NHKの次期会長が決定したと発表があった。新しく会長になる方について、ぼくは報道されている以上のことは知らないので、どうこう言うつもりも、その資格もない。とにかく、よい方向へすすむことを願っている。

ぼくが理解に苦しんだのは、会長選考にあたっての経営委員会の方向性だ。といっても、委員会内部のゴタゴタのことではない。選考の前提にあるはずの、いまNHKのトップに必要なのはどんな人材なのかという考え方の枠組みのことである。

候補にあげられたと報じられた人材は、ほぼすべて財界関係者だった。一方で、ジャーナリスト──ありていにいえば大手新聞社や通信社のOBのこと──を推す声もあったようだ。しかし、コストカッターであれマスコミ業界の成功者であれ、それがいまNHKのトップに必要な人材といえるのだろうか?

いまNHKが直面している本質的な課題とは、デジタル化とグローバル化に関係したものだ。これまでの公共放送は、ナショナルに閉じた枠組みを前提していればよかった。公共といえば国民のことであり、放送といえば日本という国家の主権のおよぶ範囲内全域にたいする一斉送信を意味した。それらは自明だった。

けれどもグローバルなデジタル・メディア時代のなかで、この二つの自明性は根本から揺さぶられ、変容を迫られている。つまり「公共」も「放送」も、その意味する内容が以前とは異なり、簡単に言い表せるようなものではなくなっているのだ。そのなかで、はたしてどのようにして「公共」な「放送」が可能であり、必要なのか。そうした理念を再構築して示すこと、別言すれば、これからの「公共放送」のヴィジョンを示すことのできる力こそが、今日の公共放送のトップに要求される最大の資質にほかならない。

まあ厳しくいえば、そんな人材は皆無に近いわけだが、少なくともそうしたヴィジョンを再構築していくことを最優先にしてためらわない見識の持主でなければならないはずだ。(ただしそのヴィジョンは、上から押しつけるのではなく、公共放送にかかわるすべてのひとびとによってつくりげられていくべきものでなければならない。)

むろん組織内の倫理や受信料や番組の質の向上といった課題は大切である。それら現実に生じるさまざまな課題は、だが、たんに巨大機構ゆえに生じてしまうのではない。そもそも21世紀における公共放送のヴィジョンへの関心がすっぽり欠落していることに起因している。ヴィジョンの共有されない組織はまちがいなく疲弊し、腐敗する。組織の存続それ自体を自己目的化するほかないからだ。

その意味では、会長人事の劈頭から採られていた、経済界からの登用というスキーム自体が、選ぶ側つまり経営委員会の情勢把握と世界認識の限界を露呈していたといわざるをえない。それが結果として、人事の選択肢そのものを狭めてしまったようにおもわれる。

(071227若干加筆)


クリスマス・エクスプレスにて

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まとまりのない話をゆるゆると三題。

その1。メルプラッツの公開研究会が京都駅前のキャンパスプラザで開かれた。ぼくは名古屋の実家に一泊したのち、当日朝、京都へ向かった。名古屋駅に早めに着いた。時刻表をめくってみたら、新幹線でなくても集合時刻までに京都へ到着できることがわかった。ならば、ということで、東海道線に乗って行くことにした。特別快速で米原まで行き、姫路行き新快速に乗り換えて、つごう二時間。久しぶりにまとまった時間を在来線に揺られた。車窓をながめながら、ときどきノートをつけて過ごす。時間がゆっくり流れていた。写真は、新快速の車中──おそらく彦根あたり──で撮影したもの。例によって京ぽん2で撮ったので画質はよろしくない。

その2。京都はメルプラッツ五回目の公開研究会だった。個人的な話をすれば、つい数日前まで、明学の授業で、デジタル・ストーリーテリングによる映像作品制作をやっていた。2クラス、計75名が、グループで話しあいながら、最終的にはそれぞれ1作品を制作するのだ。ぼくの空き時間はすべて学生の面談に投入することになり、しまいには人生相談的な様相を呈し、75名がぼくに乗りうつったような状態になった。ようやくプレゼンテーションを迎え、一区切りついたところだった(この話は別途書くつもり。あくまで予定だが)。そのせいか、どの発表もツボにはまった。とはいえ、落ち着いて考えるべきことは山積みである。今回は記録係として議事録をとっていたのだが、15000字にもなった。どうやってまとめればいいかしら?

懇親会のあと、新幹線で東京へ(正確にいえば市川へ)。この原稿も車中で書いている(途中まで)。クリスマスの休みに新幹線といえば、JR東海の「クリスマス・エクスプレス」シリーズである。2000年の特別版を別にすれば、あれが終わってもう15年である。「芸術批評論」という授業で批評文の書き方を教えているのだが、年明けまでの課題がこれ。もちろん学生たちは誰もこのTVCMを知らない。この授業ではこれまでラヴレターを書いて講評しあったりしてきたためか、学生たちの気合いの入れようはタダゴトではない。ちなみにラヴレターの元ネタは、北大CoSTEPの難波さんに教えていただいたもの。それをぼく流にアレンジしている。

その3。クリスマスといえば、NHK-FM「今日は一日クリスマス・ソング三昧」の本番が明後日に迫っている。というか、日付が変わったのでもう明日だ。ぼくの出る「クリスマス・ソング考古学」のコーナー用の曲目リストをつくって昨日送った。とりあえず80年代以前の曲ばかり50曲を選んだところ、ディレクターのKさんからお叱りのメールが届いた。こんなにかけられるわけない、トークの時間を考えれば、せいぜい10曲くらいのものだというのだ。もう、おっしゃるとおりである。ごめんなさい、これでもだいぶわかりやすい選曲にして、数も絞ったつもりだった。もともとの趣意では、よくあるクリスマス特番ではなく、こういう音楽をいろいろ紹介するというものだったはずなのだが、いまさらぼくがなにをいってもどうにもならない。

なんとも残念ではあるが、曲目は削らなければならないだろう。50-60年代の曲などどれもカヴァーで短いが、できればかけたい。あんまり誰も言ってないみたいだけど、「ジングル・ベル」は今年ちょうど150周年にあたることだし。「クレイジーのクリスマス」のように7分を超える大作もある。とはいえ、ただ長いからという理由だけで、こいつをはずすわけにはいくまい。そう思案していると、削るのは至難である。こちらの頭のなかでは、こうした曲はすべて歴史のなかに位置づけられている。だから、それを捨象して、「たのしいトピック」として断片を語るのは容易ではない。こうなるともはや、ぼくのおしゃべりなどどうでもよい。とにかく一曲でも多くかけてもらうほうがいいんだけどなあ。


クリスマス・ソング考古学

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今年のクリスマス・イヴは振替休日である。この日、午後1時から10時まで、ひたすらクリスマス・ソングばかりを流すラジオ番組が放送される。NHK-FMの「今日は一日クリスマス・ソング三昧」だ。その企画のお手伝いをさせていただいている。(よい子のみなさんは「三昧」から横棒三本を引いてみよう。写真参照。)

もとはといえば、2004年12月のメルプロジェクト公開研究会で水島久光さん(東海大学)と一緒に発表した、クリスマスの受容史にかんする発表に遡る。そのときぼくは、日本のクリスマス・ソングの歴史について発表したわけだが、この発表の母体となったパブリック・スペース研究会の重鎮 I さんと、これラジオ番組にしたいですねと話しあい、画策を重ねてきた。このたび I さんをはじめとするご関係のみなさんのご尽力によって、とうとう企画実現の運びとなったしだいである。どうもありがとう!

当日のDJは、あの、小林克也さん。約9時間のオンエアほぼ全編、あのカツヤ・スタイルでクリスマス・ソング三昧となる予定である。

ぼくは、たぶん、午後3時くらいからちょっとだけ顔を(というか声を)出す。肩書きは、「クリスマス・ソング考古学者」。日本のオリジナルのクリスマス・ソングの起源を調べており、古いクリスマス・ソングを探し求めて、克也さんに教えを請いに来た。インディー・ジョーンズみたいな役で、ちょっと気に入っている。もっとも、すっかり「恋人たちのクリスマス」という看板の下、一大消費イベントと化した今日のクリスマス・イヴにおいて、はたしてどれだけのリスナーに興味をもってもらえるか。はなはだ心もとない。

じつのところ、ぼくの関心は、日本のオリジナルのクリスマス・ソング成立史にある。1970年代後半から80年代前半にかけて切断線があるという見立てだ。それ以前のクリスマス・ソングは、日本のポピュラー音楽界では周縁化されており、いわゆるニューミュージックの成立にともなって主流化される。それは当然社会の変容と相互に関係があるはずで、そこを探りたい、というのが関心の中心である。

だが、友人たちはこぞって、「イヴにそんな話して、そんな曲かけたら、恋人たちは迷惑千万、誰だってラジオのスイッチを切りたくなるぞ」と脅す。のみならず、番組スタッフのみなさんからも、イヴの番組で研究丸出しの話などとんでもない、と固く釘を刺されている。だからラジオでは言わないけれど(万一しゃべり出すと止まらなくなる怖れもあるわけだが)、もっと調べていずれ本にまとめたい。──って、計画ばかりが山積みされていくなあ、しかし。

お気に入りのクリスマス・ソングをラジオでかけてほしいという方は、ぜひ番組ホームページからリクエストを。とくに古い時代の日本のクリスマス・ソングについて教えていただければうれしいです。

NHK-FM 今日は一日クリスマス・ソング三昧
番組ホームページは こちらから。


青森フェリーターミナル

青森のフェリーターミナルにいる。これからフェリーで函館にわたる。昨年につづき函館で集中講義をしなければならない。今年はランクルで東北道を北上してきた。

秘密兵器は、クルーズコントロール。任意の速度に設定すれば、自動でその速度を保って走行してくれる装置だ。これまでぼくは、うまくつかえたためしがなかったのだが、今回は有効だった。しかし、便利なだけに、つかい方をよくわきまえないと危険である。

道中ずっとNHK-FMラジオを聴いていた。9.11から5年目だが、なぜかNHK-FMはどの番組も懐かしの歌謡曲やフォークソングのオンパレード。南沙織・天地真理から五つの赤い風船からクレイジー・キャッツまで、まあたのしかったけれど、不思議な気持ちがした。

途中、雨が激しくなった。ラジオの音量をオフにすると、雨粒がクルマのボディをたたく音につつまれた。そういえば、雷鳴を録音したカセットをカーステレオで聴きながら、雷雨の東北道を北上したというエッセイが、片岡義男にあった。あれはどのエッセイ集だったか。

青森港に月が浮かんでいる。まもなくフェリーに乗りこむ。


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