海水浴

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姫路で一日がかりでお城見物した翌日、海水浴に行った。

姫路からほぼ真北へ向かって140kmばかり。道中、家々の多くは、なぜか屋根にシャチホコをいただいていた。その数を勘定していた子どもたちは、100まで数えたところで「くたびれた」といって止めてしまった。

到着したのは、丹後半島の西の付け根、久美浜にある小天橋というところだ。「小天橋」とは不思議な地名である。丹後半島をはさんで反対の東側には日本三景のひとつ「天橋立」があるから、その小規模版というような意味なのだろうか。このあたり、足を踏み入れるのは初めてだ。なんだか全然土地勘がはたらかない。ここだ! と当てずっぽうで決めた海水浴場は、さいわい大当たりだった。

長い距離にわたってつづく遠浅の砂浜。澄んだ海水。砂浜にゴミも少なく、到着したのが午後3時すぎだったせいか、混雑もそんなにひどくはない。盛夏らしい入道雲に彩られた丹後の海は穏やかである。海水浴に来こと自体、久しぶりだ。うちの子どもたちは泳げないが、海辺で遊ぶのは大好きなようだ。初めのうちは波打ち際に砂の城をつくったりして浜で遊んでいたが、やがて浅瀬に入って遊ぶようになった。遊び道具といえばビーチボールひとつだけで浮き輪すらないが、そのビーチボールを投げあってみたり、浮き輪代わりにつかってみたりと、つぎつぎと趣向を変えて新しい遊びを編みだし、飽きることがなかった。

翌日も快晴。朝から浜へ行く。前日は、用心していたのか、親の近くで砂遊びに専念していた三男《くんくん》(5歳)だが、今朝は違った。初めのうちこそ砂の城づくりにいそしんでいたものの、すぐにひとりで海に入り、浅瀬で小学生の兄の上に馬乗りというかイルカにまたがるように乗りはじめた。ビーチボールの奪いあいにくわわった。風に流されるビーチボールを追って、次兄《なな》とふたりで、どんどんと遠くまで行ってしまった。いったん戻ってくると、「(親から)見えないところへ行っていい?」と言い残して、再びひとりで浅瀬を歩いていった。

11時すぎに、昨夜泊めていただいた宿「小天橋」へ戻った。ここでは宿泊すると、翌日も入浴させてくれる。なにしろ親も子どもも砂だらけなので、館内清掃のことを考えたら大変だろうけれど、こちらとしては非常にありがたいサービスである。一風呂あび、あずかってもらっていたランクル80をうけとり、ちょうど正午に出発した。これから帰省先まで、敦賀・舞鶴経由で270kmを走る。

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