どんぐり細工

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「こんなかから何本出てくるとおもう?」。そういって、《くんくん》が筆入れからとりだしたのは、どんぐり細工だった。ひとつ、ふたつ、みっつ。つぎつぎと出てくる。

「どんぐり独楽」。お尻のところに長い爪楊枝が刺さっている。「どんぐり画鋲」とかれがよぶのは、二つの画鋲を裏表にして貼りつけ、片方の針をどんぐりに刺したもの。残ったほうの針をつかって、どんぐりの部分を把手にした画鋲としてつかうらしい。

あんまりたくさん出てくるので、テーブルの上にならべて写真を撮ってやることにした。小学校の生活科の時間につくったのだという。材料のどんぐりは、学校ちかくの広い公園で拾って集めてきた。

さいごのどんぐりをとりだした。爪楊枝も画鋲も刺さっていない。芯の部分がまるく刳り貫かれている。これは? と訊くと、「どんぐり笛」と《くんくん》は答えた。空き瓶をたてて唇のちかくにもってきて吹くと、ボウウという音がする。ちょうどそんなふうにして吹くのだと、実演してみせてくれた。

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