研磨とスチーム

鍋の底を研磨した。

ひどく焦げついていたところを、電動ドリルにとりつけた円盤形のヤスリでガリガリと削り落とす。

最初に用意したのは320番くらいのヤスリ。まったく削れない。ローバーでホームセンターへ行き、いちばん粗いやつを買ってきた。電動ドリルのトルクをあげたら、焦げつきが削れはじめた。

夢中でやっていた。頭のなかは空っぽ。気づいたら、2時間もたっていた。

鍋はピカピカ、とまではいかない。エンボスのなかについた焦げつきはとれず。底のほうはまずまずきれいになった。

別の日。こんどはスチームクリーナーというやつをつかってみた。しばらく前にケルヒャーの直営オンラインショップで、型落ちのものが安く出ていたので買っておいたのだった。

水を0.8l投入してスイッチオン。待つこと6分でボイラーが沸く。ブラシにぼろ布を巻きつけて針金で留める。ブラシカバーというのが一個付属していたが、ぼろ布でなんら問題ない。

まず換気扇から。ブラシの手許についたスイッチを押すとシュワワと派手な音をたてて蒸気が噴出される。蒸気をあてると脂が浮く。そこをブラシで拭きとる、という寸法だ。

やっているうちに、だんだん、うまい方法がわかってきた。スチームクリーナーのブラシだけで汚れを拭きとるというのが取説の主張のようだが、それだけで完全にきれいにするのはむずかしい。むしろ、二人組みとなって、ひとりがスチームクリーナーで蒸気をあてて脂を浮かせたところへ、もうひとりがボロ布で拭きとるという方式のほうがずっと手早くきれいになる。

だんだん愉しくなってきた。換気扇のつぎはガスレンジ、さらにキッチン台全体にも、スチームをあてた。

脂汚れといえば、これまで強力な洗剤や無水アルコールで何度も拭かなければ除去できなかった。それが、スチームだけできれいに落ちる。ステンレスはピカピカ。

しかし、換気扇のスチールの部材に蒸気をあてたら、黒い塗装の皮膜がボロボロとはがれてきた。こちらのほうは、適当にしておいたほうがよさそうだ。まあ、いざとなれば、脱脂して耐熱ブラックを吹きつければいい。

いちおう一所懸命掃除してますという顔をして作業していたのだが、実質的にはほぼ遊んでいるといったほうが近い。この手の機械をつかっていると、なぜ愉しくなってくるのだろう?

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