クール便を出しに

クール宅急便をだそうと、近所の酒屋さんに行った。あいにく閉まっていた。少し歩いたところにあるコンビニをめざして歩いた。太陽が斜めに照りつける。暑い。

このあたりは、片側一車線。交通量は多くバスも通る。舗道はない。道路の右端に引かれた白線の外側を、歩く。車が、右の腕をかすめるようにして通りすぎてゆく。

コンビニに到着した。ところが店のおばさんは言う。クールは受けつけられない、この先に営業所があるから、そこで出せ、と。

またも炎天下を歩く。車は、あいかわらず身体のすぐ右脇をかすめて通りすぎてゆく。

自動車教習所の前に出た。大型二輪教習のパンフレットをもらった。

また歩きだす。小学校の前を抜け、県道に出た。ここも舗道は途中で切れている。道路の端を歩く。途中、サイドミラーの破片が散らばっていた。

しばらくして、営業所が見えた。やれやれ、ようやく目的地である。

帰り道の途中で奇妙なものを見つけた。

平たい敷石が積みあげられている。その上に、ゴミ出し用のカゴが載っかっているのだった。このあたりのひとは、毎朝ここによじ登ってゴミ出しをするのだろうか。

さらにもうひとつ奇妙なものを見つけた。木を砕いたチップの舗道である。

ふしぎなことに、チップの道にはまったく草が生えていない。ただチップを敷いただけではなく、樹脂か何かで固めてあるようだ。『オズの魔法使い』に出てくる「黄色いレンガの道」を思い出した。

そこで、ドロシーやトトたちに倣って、「魔法使いに会いにいくんだ。すてきなオズの魔法使い!」とうたいながら、その奇妙なチップの舗道を通り抜けることにした。

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