初レッドブル

二日間にわたってゼミ発表をおこなった。ひとりずつ発表し、ディスカッション。それをくりかえす。いつもの流れである。学生たちも熱心に発表を聞き、メモをとったり、意見を述べたりしていた。

その学生たちの机の上に、栄養ドリンク系の瓶がずらりとならんでいた。「狙い」というわけではない。純粋に、前夜ほぼ寝ずに準備してきたための眠気覚ましなのだ。

興味深いのは、それらの瓶をならべていたのが、すべて女子学生であったことである。ちなみにゼミ内で女子の占める割合は8割だ。残り2割の男子学生の前にあったのは、ジュースやお茶のペットボトルであった。

そうこうするうち、こちらも疲労困憊となってきた。学生たちが口々にさまざまな栄養ドリンクを勧めてくれる。「3時間は効きますよ!」というので、レッドブルを飲んでみた。この銘柄を飲むのは人生で初めてである。

たしかに学生たちのいうとおりだった。3時間はもった。だがそのぶん、効果の切れたあとは、かなりしんどいものがあった。

しかも遅くなった帰り道で、信じられないようなゲリラ豪雨に遭遇した。ワイパーを最速にしても視界が確保できない。坂道は濁流と化し、路面を土砂が流れてゆく始末。それでもこちらは四駆だからよいものの、途中見かけた傘もささずに全身ずぶ濡れの自転車など、生きた心地がしなかっただろう。

翌日もまたゼミ発表。その日の途中休憩時にはリポビタンDを飲んでみた。

ぶじに終わり、五反田で打上げとなった。OBOGも多数来てくれた。

彼女たちは、旧交を温めにきたわけではなく、最初から今年度ゼミ生の相談にのるつもりで来ている。それが先輩の務めだと心得ているらしい。挨拶からして「今日は帰るつもりありませんから」「今年度のHPとブログを全部読みなおして予習してきたから」などと、気合い入りまくり。

さっそく新旧入り乱れての卒論談義が始まった。こうなると、ぼくはただビールを飲んでいればいい。

そうこうするうち、コンパ係のゼミ生に、先生そろそろ終電ですと促された。ぼくが店を出るとき、みんな元気に「おつかれさまでしたあ!」と手を振ってくれた。誰ひとりとして帰るつもりはないらしかった。

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