夕べの雲

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お台場にガンダムが完成した日の夕空である。

わが家では羽アリが大発生した。夜になって室内に灯りをつけると、どこからか大挙終結してくる。よく見ると大小二種類いる。大きいほうは何匹もが固まって黒い玉のようになって、電球の下でまるくなっている。小さいほうは、昂奮しているのか、やたらめったらうろうろしている。ほとんど『風の谷のナウシカ』の腐海だ。《あ》も《みの》もすっかり疲弊してしまった。

今朝方、アリの発生部にあたる部分の外壁に木屑がついているのを発見した。外壁は通気層をはさんで二重になっている。その通気層部分に、どうもアリさんが棲みついているようだ。黒っぽい色をしているから、シロアリではない。羽アリだ。

そこで、アリ退治の薬剤を散布した。スプレーのノズルを通気層の下端から射しこんで、プシューと吹く。すると、薬剤がだらだらと流れ出てき、少し遅れて無数の羽アリたちが苦しげに姿をあらわした。怪しい箇所にはすべてスプレーを吹く。室内側からも、壁板の隙間にノズルをつっこんで、ひと吹き。しばらく時間をおいてから見にいくと、おびただしい数の羽アリの死骸がころがっていた。

部屋は静かになった。安寧がもどってきたといえば、たしかにそうだ。同時にその静けさには、なんとも後味のよくないものがへばりついている。毒ガス兵器をつかった兵士は、きっとこんな気持ちになるのではないか。もっとも、そんな類の気持ちの生起する余地を抹消するべく人間を機械化してしまうのが、現代の軍隊教育なのかもしれない。いや、なにも軍隊に限った話ではないのだが。