プロフィール

Photo by Sayaka Taira

長谷川 一 (はせがわ はじめ)

明治学院大学 文学部 芸術学科 教授(芸術メディア論コース)。博士(学際情報学)東京大学。

専門は、メディア論、メディア思想、文化社会学。また、批評家、エッセイスト、散歩旅人としても活動している。

テクノロジーと身体の関係、物質性と知覚の編制という観点から、21世紀的な現代の「日常」の特質を探ることに関心をもつ。ディズニーランドやコンビニ、乗り物による移動の経験など、ごく身近でありふれた具体的な事象から深い思想的理解へ到達しうるようなアプローチを心がけている。

1966年、名古屋市生まれ。愛知県立旭丘高等学校卒業。千葉大学卒業。同 大学院中退後、編集者となる。

編集者としては、はじめ晶文社、ついで東京大学出版会にて、つごう約15年間働く。おもに現代思想、建築・都市、科学論、情報・メディア、映画などの分野で、書籍の企画・編集を手がけた。安藤忠雄『建築を語る』『連戦連敗』、金森修『サイエンス・ウォーズ』(サントリー学芸賞・山崎賞)、西村幸夫『都市保全計画』(日本都市計画学会賞)、延藤安弘『「まち育て」を育む』(日本都市計画学会賞)、初田亨『繁華街の近代』(日本都市計画学会賞)、名和小太郎『学術情報と知的所有権』(大川賞)、廣瀬通孝・小木哲朗・田村善昭『シミュレーションの思想』(大川賞)、郡司ペギオ-幸夫『原生計算と存在論的観測』、月尾嘉男・浜野保樹・武邑光裕編『原典メディア環境 1851-2000』、美馬のゆり・山内祐平『「未来の学び」をデザインする』、山本紀夫『ジャガイモとインカ帝国』、大場秀章『江戸の植物学』、篠原修『土木デザイン論』、中井祐『近代日本の橋梁デザイン思想』、長谷正人・中村秀之編訳『アンチ・スペクタクル』、四方田犬彦編『李香蘭と東アジア』、野口久光『素晴らしきかな映画』、オリバー・サックス『レナードの朝』『左足をとりもどすまで』など多数。

ある日ふと思いたち、また大学院生となる。

2002年、東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。2005年、同 博士課程単位取得満期退学。同年、東京大学大学院情報学環助手。2006年に明治学院大学へ移り、芸術メディア系列の立ち上げにたずさわる。准教授をへて現職。この間、主任教授(2012-13年度)、明治学院歴史資料館館長(2014-16年度、2018年度から現在)もつとめる。2017-18年、米国ミシガン大学日本研究センター (CJS: Center for Japanese Studies, the University of Michigan) 客員研究員。

また、非常勤講師として、東京大学大学院(人文社会系研究科、情報学環・学際情報学府、情報学環教育部)、北海道大学大学院(理学系研究科)、慶應義塾大学(文学部)、上智大学(文学部)、立教大学(社会学部)、成蹊大学(文学部)、多摩美術大学(美術学部情報デザイン学科)、フェリス女学院大学(文学部)、公立はこだて未来大学(システム情報科学部)などに出講。

著書『ディズニーランド化する社会で希望はいかに語りうるか──テクノロジーと身体の遊戯』(慶應義塾大学出版会)、『アトラクションの日常──踊る機械と身体』(河出書房新社)、『出版と知のメディア論──エディターシップの歴史と再生』(みすず書房、第25回日本出版学会賞奨励賞)、『知の現在と未来』(共著、岩波書店)、『大学生のためのメディアリテラシー・トレーニング』(共編著、三省堂)など。詳しくはこちら

執筆と併行して、メディア論のワークショップを多数おこなう。とりわけデジタルストーリーテリングには力を入れて取り組んでいる。デジタルストーリーテリング・ワークショップで制作した作品の一部はこちらから。

近年は、アトラクション(遊戯機械)や東京ディズニーランドなどについて調べ、論じることが多い。さらに、コンビニ、クリスマス、乗物など、日常に埋めこまれたさまざまにありふれた出来事を、テクノロジーの経験として捉える視座を提唱している。わたしたちの日常とは、テクノロジーと身体が複合して織りなす多様な運動や実践から成り立っている。その視座から、テクノロジーと身体、物質性、知覚のあり方の変容と関連づけて、現代社会のあり方を再検討してゆくこと。それが、じぶんの仕事だとおもっている。

このばあい、「メディア」とは、知覚の編制を形づくるものだといえる。しかし一般的には、「メディア」とは、情報やコミュニケーションをやりとりするための媒体や工学技術的手段や産業とされている。それはそうかもしれないけれど、一面的でしかない。「メディア」という言葉はもう少し幅広く、多様で、奥行きがあるものだ。だからぼくのメディア論は、よくあるマスメディアやデジタルメディアについてのお話とはちょっと違うかもしれない。けれども、「仕方 way」から考えることで初めて、メディア論は「文化=生活様式 a particular way of life」を射程に入れられるとおもう。

毎日でも食べたいものはきゅうり。ずっと観ていたい俳優フレッド・アステア。映画監督なら、うーん、レオ・マッケリーかマーク・サンドリッチ(最近では沖田修一)。野球は中日ドラゴンズ、サッカーはジェフ千葉。鉄道模型はナロー(軽便全般)とN(蒸機、DL、気動車、客車、貨車、その他北海道型全般。電化以前に限る)、けれど雑誌を読んでいるばかり。愛機はランドローバーのディフェンダー110TdiとカワサキW800。カメラはニコン・キヤノン・リコー・パナソニック・ソニー・オリンパスと分け隔てなし(だったのだが、その後ソニーに統一)。コンピューターはずっとMac、ケータイはiPhone。庭に林檎の木を植えている。愛用の鞄はHerzとBrady、Ospreyなど。それに犬印も。でも飼っているのは猫。暇があってもなくても映画を観る。よく山を歩く。よく街を歩く。よくたべる。よく眠る。学期初めにしばしば体調を崩す。腰痛および膝痛の所持者。

……こんなことを書いたとして、何かわかるのかしら。

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