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安藤忠雄

山形の空間芸術研究所

建築家の矢野英裕さんは、安藤忠雄先生の東大での講義をまとめたご著書『建築を語る』の編集をしたときの安藤事務所側の担当者だった。一緒に苦楽を共にしたというと大げさかもしれないが、あの本ができるにあたって矢野さんが大車輪で活躍されたことはまちがいない。

その矢野さんが、先ごろ故郷の山形にお戻りになり事務所を開設された。空間芸術研究所という。http://vectorfield.net

山形という土地に根ざしながら世界へ向けて建築を発信してゆくというのは、とても愉しみである。さっそくあちこちから引きあいがあって、開設まもないというのにすでにかなりご多忙らしい。ぼくも陰ながら応援させていただきます。

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なお写真は、直接関係ないけど、山形県酒田市から奥山手代林道を北へ向けて走ったときのもの(2010年9月)。正面奥に見えるのが鳥海山である。

日経「交遊抄」に寄稿(4/29)

日本経済新聞の「交遊抄」を書きました。文化面「私の履歴書」の下にある小さなコラムです。掲載日は明日、4月29日(水・祝)だそうです。

建築家の安藤忠雄先生と、『建築を語る』『連戦連敗』をつくらせていただいた編集者時代の話です。「交遊」というのもおこがましいような話なのだけど。

よろしければ、ご笑覧ください。

安藤忠雄先生

建築家の安藤忠雄先生にばったりお会いした。まったくの偶然である。何年ぶりだったろうか。

さるホテルのラウンジにいた。ふと顔をあげたら、いきなり安藤先生の顔が目に飛び込んできた。たまたま向かいのテーブルで打合せ中だったのだ。お邪魔して挨拶をさせていただいた。

お元気そうだった。いつもの調子で「あの本、いまでもよう売れてるで」と言ってくださった。

安藤先生とは編集者時代からのご縁である。『連戦連敗』『建築を語る』の二冊は、先生の代表的な著作だ。それらを編集者としてつくらせていただいたのだ。

先生が東大に着任されると決まったとき、これはもう講義録を出すしかないと直感した。すぐにお願いにあがることにした。ところが一面識すらない。そこで鈴木博之先生にお願いして、紹介していただいた。

そのときの反応は、けれどもあまり芳しくなかった。数週間後、一通の葉書が届いた。安藤先生からだった。「先日の話、やれそうな気がしてきました」とだけ記してあった。そうして企画が動きはじめた。

編集作業は愉しかったが、ものすごく大変でもあった。ぼくにも至らぬ点が多々ありずいぶん叱られもしたが、同時に非常に気にかけてくださった。ようするに、ひと言ではいえないほどお世話になった。

二冊とも刊行から10年以上たつ。いまでも着実に版を重ねているのだという。その累積部数たるや、専門書ということを考えあわせれば、ちょっと信じられないくらいの数字であるらしい。

そんな御本の企画と編集をさせてもらえた経験は、いろいろな意味で、かけがえのない財産となっている。

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