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オシム

オシムのつぶやき

南アフリカ大会の日本代表のたたかいが終わった。最後までたしかにファイトしていた。選手監督スタッフをたたえたい。こんな日本代表をみたのは、初めてだ。

この試合に限らず、また試合内容とは別の話として、今回の大会の中継放送で全般にかんしてひとつ挙げておきたい。

もっともおもしろいとおもったのは、スカパーのTwitterである。オシム前日本代表(そして元ジェフ千葉の)監督がリアルタイムで中継を観戦している最中の「つぶやき」を、文字化して(ほぼ)リアルタイムで流してくれる。オシムのつぶやきを通訳千田善さんが日本語にして、それを横に控えたスタッフがテキストに打っているようだ。

オシムの「つぶやき」や観戦中のようすのリポートも、もちろん興味深かった。でもぼくにとってより興味深かったのは、これが日本のマスメディアにおいて、デジタルメディアを放送と有機的に絡ませることで視聴者とのあいだに固有のコミュニティを生成しえた、おそらく初めての事例であろうという点であった。

こちらのほうの発案者や関係者、スタッフたちにも、ぼくは拍手を送りたい。


勝った

サッカー・ワールドカップ(なぜか「W杯」という不思議な表記が定着している)で日本代表がカメルーンに勝った。よかった。おめでとう。ぼくも《みの》と一緒に中継をみていた。

もっとも、まず最初に謝らなければならない。事前の率直な気持ちとして、今回ばかりはもう三連敗必至、おそらく1得点もとれまいと観念していたからだ。岡田監督には期待がもてず、選手たちも何か大事なものを忘れてしまっているように見受けられた。こりゃもうダメだ、というのが正直な気持ちであった。

大会が近づくにつれ、マスメディアでもネットでも岡田監督や代表チームへのバッシングは過熱した。なかには、日本サッカーの「膿」を明らかにするために潔く全敗せよなどという、本末転倒的ご無体な批判まであった。四面楚歌とはこのことだ。さすがにかわいそうな気もしたが、さりとて期待がもてないという諦観に変わりがなかったのも事実であった。

それでも、ワールドカップのようなメディアイベント的「祭り」にたいして、シニカルなポーズをとっていてはダメなのだ。調子よくしっかり参加して、「祭り」の御輿に載らなければならない。

というわけで、万難を排してテレビ中継を観戦した。守備は連動していて各自がそれぞれのタスクをしっかり果たしていた。松井のきれいなクロスからの本田の得点シーンは落ち着いたもので、そんなふうにして、大舞台のプレッシャーのなかでほぼ一度かぎりのチャンスに確実な仕事を決められる選手たちの技量と度胸におどろかされた。

もっとも中継でいちばんおどろいたのは、唐突にさしはさまれた、本田とエトーがたがいの偽金髪と坊主頭をスローモーションでなであうというBL的ツーショットだったが。

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がんばれ! オシム監督

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オシム監督が自宅で倒れて早半月。無事の恢復を祈るばかりだ。代表監督のほうは、どうやら岡田氏に交代らしい。サッカーについては、ぼくはピッチでなにが起きているのか把握も分析もまったくできないただの素人に過ぎないが、やっぱりオシム監督の鍛えた日本代表サッカーのこの先を見てみたかった。いまでもそうおもっている。


夏休みから学ぶ

授業も終わり、試験も済ませ、期末課題も提出し、学生たちは夏休みを迎える。教員はまだ仕事があるのだが。先日何人かの学生と話した内容を総合すると、かれらの夏休みはおもに(1)バイト、(2)帰省、(3)旅行、に費やされるそうだ。

一方、わが次男(小三)は、昨日から学童のキャンプに出かけていった。毎年恒例の行事なのだが、今年は少しばかり条件が異なっている。昨年まではつねに長男が一緒だったので、次男は有形無形にかれに頼っているところがあった。ところが今年、長男は中学にあがったため、学童の行事には参加しない。次男は初めて、二泊三日のキャンプにひとりで参加するのだ。初日の朝、大きなザックを背負って張りきって家を出たはいいが、5分したらたちまち戻ってきた。提出すべき書類を忘れたという。書類をつかむなり、あわてて駆けだしていった。その後とくに連絡はないので、ぶじ集合時刻に間にあったのだろう。いまごろは埼玉のどこかのキャンプ場で飯ごう炊さんをしているはずだ。

小学校にせよ大学にせよ、学校文化のなかで、夏休みは特別な時間である。

だが「休みから学ぶものはなにもない」という意見もある。前ジェフ千葉・現サッカー日本代表のオシム監督の語録にある言葉だ。オシムがぼくにとって興味深い人物であることは間違いないが、かれの「語録」のかなりの部分は、職業サッカー選手を率いる監督という立場を念頭において聞くべきものだとおもう。にもかかわらず、その「語録」がビジネスの世界に横領されていくさまは、それが資本主義の常であるとはいえ、あまり気持ちのいいものではない。

オシムとは真逆の「語録」もある。西澤立衛さん(建築家、横浜国立大学)は言う。「(ふだんの授業などでは)ぜんぜん伸びなくて、なのに春休みとか終わったら突然見違えたようになっててさ、「なんでおまえ、休みになると学ぶんだよ」ってところあるじゃない? 教えるって計画的なことで、あんまり感動しないけど、学ぶというのはもっと本能的で、誰にも決して止められない原始的活動、それはたいへん感動的なものです」。

「休み」にかんする二つの「語録」は真っ向から対立している。どちらを選ぶべきだろうか。

少なくとも、わが次男や学生たちを前にしたとき、ぼくは西澤さんの言葉の側に立ちたい。休みは、それ自体多くを学ぶことができる時間になりうるし、そうすべきものだろう。この判断が妥当かどうかは、休み明けにかれらと顔を合わせたときに判明する。むろん忘れてならないのは、同じその言葉が、ただちにぼく自身にも跳ね返ってくることなのだけれども。


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