函館では夜は居酒屋俺ん家にいく。
五稜郭の交差点をすぎて道をくだってゆく。道にはスピーカーで広告が放送されている。なぜか「お祭りマンボ」が流れている。暗い空に白く浮かびあがる五稜郭タワーが近づくと、店はすぐ。純和風の炉端焼きだが、マスターは音楽、わけてもエリック・クラプトンが大好きで、その手の展示と音楽とが、魚の焼ける煙とともに店内を満たしている。
夜ごと3-4本のビデオを見せてくれる。どうもぼくに見せたいプログラムが組まれているらしい。清志郎のライブであったり、この6月のハイドパークやリバプールの野外コンサートであったり、ロックの歴史のドキュメンタリーであったりする。
昨晩は、なんのはずみかロイ・オービソンはいいですねという話になり、するとマスターは、かれが1988年に亡くなる直前に結成された伝説のバンド「トラベリング・ウィルベリーズ」のドキュメンタリーを見せてくれた。
閉店となって外へ出、暗い裏道をホテルへ歩く。函館滞在もまもなく終わりだ。