サイトリニューアル

SwingBooksのウェブサイト(swingbooks.jp)をリニューアルした。といってもできあがったのは数ページだけ。あとは暇をみて、ぼちぼちつくっていくつもり。

旧サイトはずっと以前に、デジタルステージ社のID for WeblifeというFlashサイト構築ソフトと、AdobeのGoLiveでつくって公開したもの。

けれども前者は一度つくって公開したら、それだけでもう飽きてしまい、メンテナンスする気が失せた。じぶんでつくっておいて言うのもなんだが、いかにも既製品にあてはめましたという体裁に嫌気がさすのみならず、そもそもFlashをつかったサイトってなぜかどれも同じテイストになるから嫌だ。後者はCS2にくっついていたからつかってみたのだが、以前に愛用していたMacromedia時代のDreamweaverにくらべると絶望的につかいにくく、さいごまで素性の理解できないアプリケーションだった(現在は廃版になったみたい)。

けっきょく試しにつかってみただけで、その後どちらも放置。同時期に立ちあげたこのブログのほうは、地道に更新をつづけてきたから、対照的といえば対照的だ。

ブログが継続してこられた理由はいくつかある。連載コラムのようにそのつど書いたものを逐次公開していけるしかけが性分にあっていたというのも、そのひとつだ。けれども大きいのは、MTというソフトウエアがちょこちょこ手を入れることを許容していたことだろう。もちろん、ぼくがつかった程度の経験談だから、所詮たんなる印象にすぎない。もっとも個人がそのアプリや媒体を使用しつづけるかどうかは、そうした印象や感覚に大きく左右されるものだ。

リニューアルに踏みきった直接のきっかけは、デジタルステージからBiND2という新しいウェブ制作ソフトが出るという情報だった。こちらはFlashではなくHTMLベースのもの。少なくともIDなんかにくらべれば、だいぶ自由度が高いらしい。試しにつかってみようと発売日に購入し、二日がかりでリニューアル版をこしらえ、公開してみた。BiND2 というアプリ、まだ不安定なところも多いし、動作もキビキビとはいかず、不自由な点も少なくないが、まあ及第といったところ。

新しいウェブサイトがこの先どうなっていくかは、ぼくにもまだよくわからない。また飽きて、遠からず止めてしまうかもしれない。ただ三年近くブログを書いてきた経験から、つぎのようなことを学んだ。

ぼくにとって、ブログは逐次更新型で、いつも「いま」が問題となる。そのとき気になることや感じたこと、考えたこと、見聞きしたことを書き留めてゆく。もちろんそれをアーカイヴしてくれるのであとで引きだすこともできるのだが、どちらかといえばそれは付加的な機能だ。

ただし、そのときぼくが本当に考え抜かなければならないテーマを直接ブログに書くことはできない。書くこと自体が考えることと限りなく近いから、下手にブログに小出しにすると頭のなかの内圧が抜けて、考えが一気にしぼんでしまいかねない。ブログに書くのは、だからもう少し周辺的な話題だ。ブログの記事をまとめて本にするなどという内田樹さんのような芸当は、ぼくにはとても真似できないし、そのつもりもない。

これにたいしてウェブサイトは、むしろアーカイヴとしてつかうほうが向いている気がする。アーカイヴとはようするに倉庫のことだから、余計なもの(Flashだとかアフィリエイトだとか)はいらない。じぶんの書いた文章と、じぶんで撮った写真とを配置して蓄積し、その一部を公開する。そんなふうにして、ウェブとブログをつかいわけられればいい。現時点では、そう考えている。