三日月

昨日の夕べの月。西の空に穿たれたみたいに光っていた。三日月、あるいは繊月にちかいかもしれない。

撮影のさらに1時間後、沈むまぎわの三日月のまわりには、花火大会の取材用なのだろうか、無数のヘリコプターの灯りがたかるようにして飛びまわっていた。

ほどなく月は西の空から静かに沈んでいった。居心地わるくてそそくさと退場したようでもあり、人間どものやることなどまるで眼中になく、ただただみずからの仕事に熱中しているようでもあった。