ディフェンダーのセカンドシートを換装したことは前にちらりと触れた。作業はひと月ほどで完了し、先日ディフェンダーひるね号が戻ってきた。
悩みに悩んだ末で換装を決意した。作業は、さる専門ショップにお願いした。出来映えのすばらしさを見て、決断してよかったとおもった。
換装したのは、フォルクスワーゲンのトゥーランのセカンドシートだ。ネットオークションで入手した。解体された車のシートとは思えぬほど、たいへん程度がよかった。そして、これがディフェンダー標準のセカンドシートの横幅(約1300mm)にぴったり収まる。
トゥーランのセカンドシートは、もともと3座セパレートの仕様。それぞれ独立に前後スライド、リクライニング、タンブル、取り外しが可能だ。それらの動作すべてがディフェンダーで再現可能となっている。セカンドシートだけは、なんだか今様の車になった。
新しいシートは、金属製の箱型の台座で支えられている。標準のセカンドシートを撤去したあとに、新設されたものだ。台座の内部には補強が入れられて、トゥーランのシート(これがまた重い)を支持するだけの強度を確保している。この新設台座はボディにボルト留めされているので、必要があれば標準シートに復元することも可能だ。
新しいシートは欧州車らしく硬め。3座ともそれなりに身体をホールドしてくれる。座面は、標準より若干低め。これでセカンドシートの乗員も、まずまず落ち着いて座っていられるのではないだろうか。といっても、ぼくはつねに運転手なので、その恩恵を直接こうむることはほとんどなさそうだ。セカンドシート換装は、なにより同乗者のためである。
問題点もないではない。ひとつは、シートの位置が標準よりやや後方に下がるため、3座のうち左右の2座に大人が座ると、Cピラーのシートベルトカバーに肩がわずかに触れること。
もうひとつは、予想されたこととはいえ、ルームミラーからの後方視認性が悪くなったことである。セカンドシートの背が高くなり、ヘッドレストが付いたためだ。
もともとディフェンダーは(その出自に忠実なスタイルとして)背面にスペアタイヤを背負っており、後方視認性が良好というわけではない。いまのところ、リアドアのガラスの上部に「ワイドビューレンズ」という商品名の、水で濡らして貼りつける湾曲型のプラスチック製レンズをつけ、いちおうの後方視界を確保している。
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