原発PR施設について、書きます書きますといいながら、なかなかうまくまとめられず苦闘中なのだけど、それでもしつこく調べたり考えたりしている。ちかぢか地層処分にかんする一般向けのシンポジウムをNUMO(原子力発電環境整備機構)がひらくという。それを見学してこようかなと思案している。
地層処分とは、原発などから出る高レベルの放射性廃棄物を地下数百メートルに埋め、無害化するまでのあいだ保管・管理してゆくというもの。高レベル放射性廃棄物の半減期は数百年数千年数万年にもおよぶのだそうで、保管や管理はそれだけの長期間にわたっておこなわれる必要がある。人類史というよりもむしろ地球史的スケールというべきほどの時間である。それだけの長期間にわたって安全が確保できるのかどうか、不透明な部分は少なくない(というか分からないことだらけというべきであろう)。
しかしながら、同時に他方で、それが最終処分の方法として現在とりうる事実上唯一の選択肢であり、またすでに国内にはかなり大量の高レベル放射性廃棄物が行き場のないまま蓄積されているという現実もある。
日本のばあい、地層処分をどこでおこなうのか、その場所はいまだ決まっていない。候補地さえない。これまで国はどこかの自治体が手をあげてくれるのを待つという姿勢だったが、いつまでたっても(当然ながら)一件もあらわれない(未遂はあったようだが)。
そこでいよいよ国のほうから「科学的有望地」というのを提示するよう方針を転換した。ようするに、ご指名します、というわけだ。提示の時期は本年中とされている。このシンポジウムはそのための「対話活動」の一環という位置づけなのだそうだ。詳しくはこちら。なお同趣旨のシンポジウムは昨年も実施されている。
で、こうして概略を確認してみれば、そこがどんな性格の集まりであり、どんな話が言われるのか、それなりに予測がつかないわけでは、もちろんない。だがそれはそれ。予見はいったん横に置き、なるべくフラットな視点から、実際にそこに身を置いたうえで、その場をよく見ておきたいのだ。
シンポジウムは全国9箇所でおこなわれるという。そのうちのどこか一箇所に行ければいいとおもっている。
なお上の写真は、地層処分の研究施設である深地層研究センター(北海道・幌延)で、研究用とされている試掘トンネルを見学したときに撮ったもの。地下250mくらいのようすである。そのときの記事はこちらから。