エッセイ

エッセイ

ねずみさんと宮本常一

もう一週間も前のことになってしまったが、島牧でねずみさんに会った。初期の村上春樹の小説にでてくる「ねずみ」ではありません。北海道の旅先でお世話になった古い友人である。 お会いするのは、たぶん十数年ぶりだ。出先から戻ってきたら、...
エッセイ

論文執筆中

世間はゴールデンウィークである。例によって、ぼくにはほとんど縁がない。あいかわらず部屋にこもって論文を書いている。それ以外のことまで、なかなか手がまわらない。 いま取り組んでいるのは、メディア論において〈実践〉とは何か、というような主...
生活の風景

桜の入学式

中学校の入学式は満開の桜の下でおこなわれた。 《なな》は、一昨年卒業した《みの》のお下がりの制服を着て、うれしそうに出かけていった。野球部の友だちと待ち合わせて学校へ行くという。 ぼくたちも遅れて行く。保護者の参加も多く...
エッセイ

崇神天皇陵と景行天皇陵──山の辺の道(4/4)

トレイルセンターのすぐ先に、崇神天皇陵がある。多くのナントカ天皇陵と同様、ほんとうに崇神天皇の墓かどうかはわからないらしい。なにしろ宮内庁が封印しており、調査ですら立ち入りを拒んでいるのだそうだ。 巨大な堤を登ってゆく...
エッセイ

夜都伎神社からトレイルセンターへ──山の辺の道(3/4)

山の辺の道はどこもよく整備されている。割栗石を敷き詰めた石畳にの急坂を下ると、集落にでた。木造の大きな建物がある。天理観光農園とある。薪ストーブを焚いているようだ。 ここからアスファルトで舗装された道路を少し下り、しばらく行く...
エッセイ

天理駅から永久寺へ──山の辺の道(2/4)

天理駅前の広大な広場から、アーケードの商店街を歩く。アーケードは延々と続いている。黒地に「天理教」とか「ナントカ大教会」と白文字で記されたはっぴを着たひとたちが往来する。商店には、天理教の道具や、本、服、指定の御神酒などがならべられている。...
エッセイ

山の辺の道(1/4)

天理駅からJR桜井線に併行して、山裾をたどる古道を「山の辺の道」と称している。JR桜井駅まで歩けば約16km、ぼくたちが歩いたのは、そのひとつ手前の三輪駅まで。13kmくらいはあったようだ。たいした予備知識をもちあわせていなかったの...
エッセイ

阿修羅

興福寺の境内に鹿がいた。見たかぎり、ざっと20頭。のそのそ歩いている。 実物の鹿を初めてみた《くんくん》は、たちまち気分が高揚した。近くにいた一頭の子鹿めがけ、にこにこ顔で「しかさーん」と駆けていった。 いっぽう子鹿のほ...
メディア論の視座

とにかく信じてるぞ、福島原発

文部科学省が都道府県別の環境放射能水準調査結果を公表しはじめた。@hayanoで知る。とりあえず、じぶんの住むところの放射線がおよそどんな状況にあるかを知りたい方は、ごらんくださるよう。 これにならって、政府はどしどしデータ...
エッセイ

東北地方太平洋沖地震

幾人かの学生たちから「無事です」と連絡をもらいました。とりあえず、無事でよかった。卒業生のなかには、仕事先で被災して帰宅できず、ツイッターだけを頼りに都内で一夜を明かした子もいたようです。これから帰宅するという。自宅に帰りつけますよう。 ...
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