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映画『沈まぬ太陽』

いかにも大作である。あの長大な原作をよくまあこの時間内に収めたものだと、まずはプロットワークを誉めたい。御巣鷹編を中心に、アフリカ編と会長室編とをうまく組みあわせ、一本の筋を構築することに成功している。 とはいえ難点も少なくない。スト...
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映画『ピリペンコさんの手づくり潜水艦』

二日間の卒論ゼミ中間発表会を終え、翌日は特別入試の面接だった。終了後イメージフォーラムまで『ピリペンコさんの手づくり潜水艦』を観にいってきた。 内容はまさに題名どおり。ピリペンコさんとは、ウクライナの草原の村に住むおじさん。62歳。年...
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映画『僕らのワンダフルデイズ』

小品が好みだ。迷うとなるべく地味そうな作品を観る。これもそうやって入った。残念ながらただ小粒なだけだった。 53歳の主人公竹中直人が、がんで余命半年の身なのだと早合点する。残された時間で何か残したいといって、高校時代に級友と組んでいた...
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名画座

『モロッコへの道』と『ヒズ・ガール・フライデー』を観てきた。どちらも1940年代初頭の作品である。後者はずっと前(たぶん大学生時代)に映画館で観たことがあるのだが、前者はスクリーンでは未見だった。DVD全盛の時代に、ありがたい機会である。 ...
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映画『サマーウォーズ』

はるばる船橋のららぽーとまで行き、おたく系青少年に囲まれつつ『サマーウォーズ』を観た。ゼミ生や卒業生の推薦作である。 細田監督の作品は『時をかける少女』を観たことがあるだけだ。作品自体はよくできていたが、そのときの周囲の盛りあがり方は...
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第二次南極料理人

さる私立高校の学校見学会という催しに行ってきた。受験生の《みの》の付き添いである。 ぼくの高校受験経験といえば三十年ちかく前の名古屋のそれだけだ。だから現在の首都圏の高校受験事情などまったくわからない。学校説明会や見学会など、当時の名...
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映画『南極料理人』

舞台は南極、それも昭和基地から1000kmも遠く離れたドームふじ基地。ペンギンはおろかウィルスさえいない。ここに住むのは、観測のため越冬している隊員たちだけだ。しかしこの作品が描くのは、かれらの本務である科学的な観測活動ではなく、タロジロ救...
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映画『アマルフィ 女神の報酬』

ひさしぶりに映画館へいったのに、時間の関係でこれしか観るものがなかった。 フジテレビ50周年記念と銘打たれた超大作。同社開闢以来最大のバジェットを注ぎ込んだという。フジの大功労者織田裕二を主演に据え、舞台はローマ、アマルフィとイタリア...
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柴野京子『書棚と平台』

大学院の後輩(というのも失礼な言い方なのだが)柴野京子さんが著書を刊行される。『書棚と平台──出版流通というメディア』(弘文堂)である。書店という空間や、出版流通のしくみそれ自体がどのようにメディアとして機能してきたかを論じる。業界...
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映画『劔岳 点の記』

労作である。 撮影監督木村大作はじめての本編監督作品。映画作品としては、うまいとはいいにくい。演出はぎこちない。脚本は、寡黙であったり、妙に説明的であったりと、局面ごとにモザイク状だ。クライマックスは拍子抜けするほどあっけない。ラスト...
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