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恥ずかしいワイパー

東京タワーが雨に光っていた。ディフェンダーの小さなフロントガラスからはみ出そうなくらい大きく見えた。

この日は大学院の入試だった。例年おもしろい受験生が来てくれる。今年もそうだった。ほかに会議や打合せなど引きも切らず、終日白金に張りつけられていた。とにかく、いろんなことが起こる。

共同研究室の席上に、誰かのお土産のチョコレートが置かれているのを見て、そういやバレンタインだった、と気がついた。その手のイベントに縁がなくなって久しい。

おもったほどは渋滞していない雨の都内を、ガラガラガラというTdiサウンドを響かせつつ、ディフェンダーを走らせた。

納車から15カ月。この独特のクルマにもだいぶ慣れた。オフロードコースのようなところはともかく、ふつうの路上なら、じぶんの手足の延長のような感覚で運転できるようになってきた。

けれど、ひとつだけダメなところがある。ワイパーだ。いまだに間違える。

ディフェンダーでは、ハンドル左のレバーがウインカー、右がワイパーとなっている。国産車の逆である。英酷車の気まぐれでそうなっているのかとおもったが、そうではなく、こちらのほうがISOの規格どおりなのだそうだ。

この夜のような小ぬか雨だと、ワイパーを常時稼動させたりはせず、間隔をおいて一回だけ作動させたい。いちおう間歇装置は付いているものの間歇速度の調節は不可。そのつど手動でレバーをさげてやらねばならない。ついつい左手が動いてしまい、結果としてウインカーを点灯させてしまうことになるのだ。

まわりは誰も気にしていない。わかっていても、やっぱり恥ずかしい。