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クリスマス

暮れたあとの空

日本のクリスマスは消費イベントという側面が強いが、もともとは冬至のお祭りという性格をもっているんだよ、という話を先日学生にしたら、妙に感心していた。

その冬至の少し前のことだ。夕べに江戸川沿いを歩いていたら、こんな夕景に出会った。

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年に一度目にできるかどうかという夕景だった。

空は暮れてからがいちばんうつくしい。青いところと赤いところのあいだに緑色の帯が見えるから。こんな空なら、あと何度だって見てみたい。

2016年は例年にもましてあわただしく過ぎ去っていった。いろいろあったけど、ぼくなりによくがんばった一年だったとじぶんに言ってやりたいとおもっている。

冬至も過ぎ、その一年もまもなく暮れゆく。

冬至のお祭りとは再生の祭りである。だから今年が暮れたあとには、太陽のまわりをまわる地球の新しい旅が始まるのだ。

みなさん、どうぞよいお年をお迎えください。

雪降る

12月25日のクリスマス、市川に雪が降った。

午後3時くらいだっただろうか。ペンキ塗りをしていて気がつくと、空が黒雲で覆われていた。ほどなく雨粒が落ちてきた。と思う間もなく、雪になった。

雪といっても、むしろ霰というのに近いかもしれなかった。いくつかの結晶が途中で少し溶けてくっついたような格好をしていた。それがバタバタと舞い降りてくるのだった。

とても積もるというようすではなかった。じっさい、20分ほどで雪は雨に戻り、さらに20分ほどしたら、あがってしまった。

黒雲は西の空の下のあたりでくっきりと切れており、沈みかかった夕陽が空をオレンジ色に染めているのが見えた。

勝手にクリスマス・エクスプレス2010(3/3)

疎遠なものを結びつけるのは、儀礼のもつ働きのひとつである。クリスマスもまた儀礼の一種であり、そこからいくつかの変換過程をへて、現代日本では恋愛イベントという認識が通有されている。

クリスマス・エクスプレスもまた、そうした認識を下敷きにしている。だからそこでは、新幹線は、離れていた彼と彼女を結びつけるメディアとして、自己の「魔法つかい」ぶりを発揮してみせる(それがJR東海という企業のイメージアップへとつながるよう設計されている)。新幹線というメディアの助力によって、恋愛状態にある男女が、年に一度、純粋に結びつけられるという「いい話」が描かれるわけだ。

ところが、今日こうした「いい話」パターンをそのまま踏襲するのは、じつはたいへんむずかしい。どこか嘘っぽくなってしまうのだ。だから今回製作した3本のうち、この枠組みをオーソドックスに踏襲しているのは、前述どおり、作品2のみである。もう一度この作品に注目してみよう。

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勝手にクリスマス・エクスプレス2010(2/3)

後期の授業が始まって以来、試行錯誤を重ねながら少しずつ作業を進め、クリスマス直前にようやく作品が完成した。院生が各自1本つくったから、全部で3本できあがった。

美大や専門学校ではなく人文社会系の大学院生が製作したものなので、もちろん技術的に拙い部分があるのは否めない。撮影機材は、各自手持ちのデジタルビデオカメラ、ケータイの動画機能、デジタル一眼の動画機能とさまざまであり、それをパソコンに取り込んで編集した。そしてみんなで試写会。いずれの作品もすごくおもしろかった。

各作品の設定や物語をまとめておこう。

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勝手にクリスマス・エクスプレス2010(1/3)

クリスマス・エクスプレスは、JR東海が1988年から1992年までクリスマスシーズンに流していたテレビ・コマーシャルのシリーズである。

「なつかCM」みたいな懐古番組の定番であるうえに、いまではYouTubeなどにも映像があげられており、誰でも見ることができる。また、Wikipediaをあたれば、やたら詳細な解説を読むこともできる。ちなみに個人的にもっとも好きなのは、牧瀬里穂の登場する1989年版である。

このCMは、札束が幅を利かすバブル末期において、若者のある種の「純愛」的な場面をクオリティ高く描いており、山下達郎の名曲「クリスマス・イブ」がつかわれたこととも相まって、当時から高い評価をうけていた。いま見ても、いろいろな意味でじつによくできていると感心させられる。

授業でこのCMをよくみせる。ぼくは日本のクリスマス文化について関心があるのだが、20年前のこのCMは、いまでも日本的クリスマスを考えるうえで、最良の教材のひとつであるとおもうからだ。

で、前々から考えていたことを、今年は試してみることにした。大学院の授業で「もしクリスマス・エクスプレス2010をつくるとしたら?」という課題に挑戦したのである。

といっても、よくあるような、「パロディ」と称しながら、そのじつパロディでもなんでもないような真似っこづくりではない。授業なのだし。やり方は、こうだ。

まず、88年から92年、それにエクストラとして2000年に放送されたクリスマス・エクスプレスの全作品を分析する。作品ごとにすべてのカットを絵コンテに落とす。それをもとに、作品を構成要素ごとに整理し、それらがどのように組みあわされているか、そしてそれが何をあらわそうとしているかを検討する。全作品に共通する要素があれば、それがこのシリーズに一貫性を与えている枠組みであると、さしあたり言えるだろう。

たとえばそれは、国鉄分割後に誕生したJR東海という企業のイメージCMという大枠であったり、日本的クリスマスのイメージを喚起させる典型的なアイテム群であったり、クリスマスを恋愛における一大イベントとみる信念であったり、遠距離恋愛という具体的なシチュエーションであったり、「すれ違い」ものというプロットパターンであったり、女性を中心にとらえる視線であったり、ソフトフォーカスや細かいショットのつなぎ方といった技法であったり、離れていた彼女と彼とをぶじに結びつけたあと最後に「どや顔」で走り去ってゆく(いまはなき)100系新幹線の後ろ姿であったりするだろう。

それらを受け継ぎつつ、しかし2010年の今日の状況に照らしあわせて、企画を考案し、やはり絵コンテを切り、じっさいに60秒の映像作品として製作するのである(今回はデジタルストーリーテリングではない)。

なお、ぼくの授業において、作品製作を含むワークショップという形式は、ありがちな製作技法を教え込むことを目的としたハンズオンなのではない(ただし結果として技法を教えることも含まれる)。そうではなく、あくまで実践をとおしてさまざまなメディア論的課題をあぶり出すための方法として、これを採用している。実践してみることで初めて気づかされることは少なくない。それをもとに、さらに考えを深めてゆく。そういうアプローチなのである。

勝手にクリスマス・エクスプレス2010(2/3)へつづく

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