《みの》の運動会が予定されていた。だが雨天のため延期、平日開催と決まった。《あ》も《なな》も《くんくん》も、それでは応援に行けないではないかとおかんむりである。
ぽっかり空いた午前に、梅の実をとった。今年は花が早く、実はすっかり肥えていた。収穫した梅は、ホワイトリカーに漬けて梅酒にするのが手っとり早いのだが、それでは三兄弟の口に入れられない。梅酒づくりはもうしばらく先のおたのしみである。
わが家では、梅を洗い、収穫の二割方を煮てジャムにする。残りはぜんぶ蜂蜜につけて梅のジュースにつくる。真夏の朝、梅ジュースの原液を水で割って飲む。これがなかなかおいしい。昨年つくった梅ジュースは好評で、二週間ほどですっかり飲み干してしまった。
梅ジュースのつくり方は、《あ》がどこだかで仕入れてきた。彼女が梅の実をすっかり始末し終えたのは、翌日の夕方のことだった。