なんかディフェンダー・ネタばかり続いてアレなのですけど、覚書としてあげておきます。
前回スイベルにグリスを投入したさい、あわせて下回りのグリスアップもしようか迷った。だが、なんとなく面倒でそのときは止めてしまった。しかし、しなければしないで気になるし、万一焼き付いたりしたら一大事である。数日してから意を決して作業にとりかかった。
今回グリスアップするのは、プロペラシャフト。プロペラシャフトというのは、エンジンで発生した動力をトランスミッションを経てリアのデファレンシャル・ギアボックスへ伝達する回転軸のことだ。
国産車で下回りに定期的にグリスアップするなんて話は最近とんと聞いたことがないが、ディフェンダーではそうはいかない。ほぼメンテナンスフリーの国産車からすれば、もうありとあらゆる整備が必要だといって過言ではない。
グリスアップなど、これまで、ぼくはした経験がない。まず道具を買いそろえる。コーナンまでひと走りして、グリスガン、フレキシブルノズル、それに指定されているリチウムグリス(ちょう度2)400g入りのチューブを買ってきた。
グリスアップのポイントは、シャフトと、そこにくっついているユニバーサル・ジョイントの都合6箇所である。具体的な場所や方法については、諸先輩方のサイト、わけても以下に詳しいので、もうそちらを参照してもらったほうが、早いし、確かである。
- Works Ree:http://homepage2.nifty.com/works-ree/DEFENDER-Maintenance-grease-up.html
- Y.D.S.:http://yds110.com/main/modules/def0/rewrite/contents(def2.1.13).html
- 各種グリス(グリース)と便利な使い方【TAKAよろず研究所】:http://www.geocities.jp/taka_laboratory/20050725-grease/grease.html
グリスガンの取説にあるとおり、まずガンから筒をはずし、中にチューブからグリスをニュルニュルと入れる。色も形もマロングラッセをつくっているときみたいな感じだ。最初にどれだけ入れればいいかわからなかったが、なんとなく腰が引けて、まず50gくらいから始める。だがすぐに、それではまるで足りないことがわかった。
グリスの入った筒をグリスガンにセットし、フレキシブルホースノズルをニップルという注入口にあてて、レバーを引くと注入される。ニップルは、鋼球がバネで押しつけられて封をする構造になっているので、とくに緩めたりする必要はない。
──こう書くと簡単そうだし、確かに複雑な作業ではないのだが、実際には初心者ゆえ、かなり手間どった。
まず、ノズルのチャック(口)がニップルにうまくはまらない。というか、はまったのかそうでないのかが、よくわからない。注入してみて、押し当てているノズルのチャックの脇からグリスがはみ出てくるようなら、きちんとはまっていない。
何度かやっているうちに、コツがつかめてきた。ニップルにたいしてノズルを垂直にして、パチンと音がするまでチャックを押し込めばいい。
なお、はずすときは、垂直ではダメで、必ずニップルにたいして斜めにする。ねじるようにすると、わりにすぐにはずれるが、無理やりはずそうとするとニップルを壊してしまうこともあるという。
さて、注入へ戻る。そのさいも、なるべくノズルのチャックがニップルにたいして垂直を維持するようにする。
そのためには、片手でノズルのチャックを押さえ、もう片手でグリスガンのレバーを引くので、グリスガン本体を支える腕が一本たりない。足りないと言っていても生えてくるわけでもないので、肩とか上腕あたりで、なんとかして本体を支えるしかない。
ノズルのチャックがきちんとはまり、グリスがきちんとニップルに注入されていれば、グリスガンのレバーを引くさいにかなり重い手応えを感じる。感じられなければ、うまくはまっていないと思ったほうがよさそうだ。
グリスは、予想外にたくさん注入されていく。そして、ニップルとは別の、可動パーツの継ぎ目のようなところから、黒いドロドロのものがニュルニュルと出てくる。これが古いグリス。本当は、古いグリスが全部排出され、新しいグリスが出てくるまでやるべし、ということになっているのだけれど、頃合いがいまひとつよくわからず、適当なところで止めておいた。
古いグリスはウエスで拭きとっておく。指の入らない狭いところに出てくるので、マイナスドライバーでかきとった。
これを6箇所でくりかえす。参考サイトには、ゆっくり休んで一時間と書いてあったが、ぼくは初回ゆえかたんに下手なのか、2時間かかった。
ディフェンダーは最低地上高が高いので、ジャッキアップせず、そのまま下に潜り込める。クリ−パー代わりに段ボールを敷く。フレキシブルノズルは必須。棒状のストレートノズルだと、うまく角度がつけられないことがありそうだ。
プロペラシャフトは回転するので、たまたま停まった位置が悪いと、ニップルが上を向いていたりする。そうなると、ニップルが目視できないので、フレキシブルノズルをつかっていても、作業性はてきめんに落ちる。
手はグリスでベタベタになる。たまたま家にあった、塗装用の薄手の使い捨てビニール手袋をつかったところ、作業しやすかった。道具やウエスをおくために、新聞紙もあったほうがいいかも。グリスガンやノズルの外側のみ、作業終了後にパーツクリーナーをぶっかけて軽く洗浄しておく(内部には残りのグリスが入っているので、そのまま)。
今回つかったグリスは、400gチューブの約半分。もっとも、手際が悪くてグリスをこぼしたり、ニップルにノズルがきちんとはまっていなくて無駄にはみ出たりしたので、実際に注入された量は全部で180g弱くらいだろうか。
作業は二回にわけておこなった。計画的にそうしたのではない。最初に「これで終わり」とおもって終了したのに、あとで気になり、一部やり直したのだ。
最初のときはしっかり虫除けスプレーをしていったのだが、二度目は思いつくなり取りかったので、ほんの15分くらいの作業のあいだ、蚊の格好の餌食となってボコボコ。この時期、蚊よけ対策も重要です。