種子島の夕陽

種子島に行ってきた。今年度の卒論ゼミの打ち上げである。

朝の鹿児島は小雪がちらつくほどの寒さだった。鹿児島港から高速艇で95分で種子島の西之表港に着く。晴れてはきたものの、冷たい風が吹いていた。

西之表からバスに90分揺られると、JAXAの種子島宇宙センターに着く。南北に細長い種子島を、ちょうど北から南へ縦断するようなルートだ。

宇宙センターでは、まずちょうど開催中だった「はやぶさ」のカプセルの展示を見、つぎに宇宙科学技術館という広報センターのようなところを見学し、センター内の施設の見学ツアーに参加した。とくに見学ツアーがおもしろかった。90分かけてロケットの発射場や実機を見学させてもらえ、たいへん充実していた(次稿で触れる)。

見学ツアーのあと、迎えの車が来るまでのあいだ、敷地内(なのかな?)にある砂浜に出てみた。岩場を改造した竹崎展望台という施設のすぐ隣の浜だ。

砂浜に足を踏み入れると、ふわりとした弾力が感じられた。砂の肌理が細かく、きれいだ。石化した珊瑚のかけらがころがっていた。

ちょうど日の沈む時間帯だった。海と雲のあいだの裂け目が朱に染まっていた。

こういう光景を目にすると、季節の違いなどおかまいなく自動的に、頭のなかでロビン・ウォードの「ワンダフル・サマー」が再生されてしまうのは、なんとかしたい。