送電線

大飯原発3号機が再稼働した。「電力不足」をちらつかせつつ半ば強引に再稼動にもちこんだ。既成事実を積み重ねるという、あいかわらずの手法。「伝統」のほうは健在らしい。

報道によれば、すでに7日の時点で電気出力100%に達しており、明日9日未明には103%にあげてフル稼動、つまり定常運転の状態に入るのだそうだ。

写真は5月に現地を訪れたときに撮ったもの。原発で発電した電気を大消費地へ送るための送電線である。原発と都会は地理的には隔てられているかもしれないが、送電線によって物理的につながってもいる。

場所は青戸入江とよばれる湾内である。写真の右手が北。そこに大飯原発がある。発電された電気は右手から左手(南)へ向かって送られるはずだ。

稜線の向こうから半身を乗りだしている巨大な鉄塔の姿は、1954年の映画『ゴジラ』におけるゴジラ登場のショットを想起させなくもない。

こちらの写真は、ほぼ同じ場所を北から南に向かって撮影したもの。原発はカメラの背後に位置している。送電線が青戸入江をまたぎ、山づたいに南へ向かっているのがわかる。

このあたりは、おおい町と、これも原発の町として知られる高浜町との境界付近だ。

ぼくには識別できないが、左手の奧に福井県大飯原子力防災センターがあるのではなかろうか。カメラをもう少し右にパンするならば、道の駅シーサイド高浜や、巨大な原発PR施設エルドランドたかはまが写るだろう。