iMacのトリプルディスプレイ化

iMacをトリプルディスプレイにしてみた。やり方は意外に簡単、コストもそれほどはかからなかった。

まず古いほうのiMac (Mid2010) を新しいLate2015の外部ディスプレイとして使用するために、新旧のiMacをつなげる。Late2015はThunderbolt端子を搭載しており、 Mid2010はMiniDisplayPort端子である。どちらも端子の形状は同じ。だが新規格であるThunderboltのケーブルでつないでみたところ認識しなかった。そこで秋葉原のヨドバシを探しまわってMiniDisplayケーブルを見つけてきた。これでつないでみたら、うまくいった。

さらに、手元にあった十年もののApple Cinema Display (23-inch) を接続してトリプル化してみることにした。

iMac (Late2015) にはThunderbolt端子が二つ付いており、すでにひとつはMid2010接続につかっている。残ったひとつもディスプレイにつかってもいいのだけど、できればここには外部ストレージをつないでおきたい。そこでUSB端子から映像を出してみることにした。

外部ディスプレイをUSBに接続するためには、USBディスプレイアダプターなる装置が必要である。ネットで調べてよさげだったのだが、これ。「玄人志向 USB3.0 グラフィックアダプタ DVI接続 バスパワー駆動 VGA-USB3.0/DVI」(メーカーの製品ページ)。DVI端子対応のものを選んだのは、シネマディスプレイの端子がDVI-Iだから。HDMI用のものもある。

Amazonで注文したらすぐに届いた。紙切れが一枚(英語で簡単な説明が書かれている)とドライバの入ったCD-ROMが同梱されていた。ただしこのドライバはMacにはつかえない。この製品は公式にはWindows (XP, Vista, 7) のみ対応、と謳われているためである。

だがそれはあくまで表向きの話。じつはMacでもつかえる。搭載している米国DisplayLink社製のチップがMacに(いちおう)対応しているからである。同社のサイトでEl Capitan用のドライバが配布されている(こちら)。先に「いちおう」と注記したのは、完全対応ではなく一定の制限事項があるからだ。注意書きをざっと読んでみたが、それほどヤバそうな話ではなさそうである。

そこでさっそくMacOSX用ドライバのVer. 2.5 をダウンロードしてインストール。Late2015とシネマのあいだにディスプレイアダプターをかましてから再起動する。

古いほうのiMac (Mid2010) は、まだLion環境のままだが、Command+Fn+F2を同時に押せば、画面が切り替わってLate2015の外部ディスプレイとしてふるまうようになる(Mid2010のシステム環境設定>キーボードでFキーがファンクションキーとして作動するように設定しているときはFnキーを押す必要はない)。

あとはシステム環境設定>ディスプレイ>配置で、三つのディスプレイのレイアウトを設定してやれば完了だ。とりあえず、中央にメインとなるLate2015、左にMid2010、右にシネマを配してみることにした。

こうしてトリプリディスプレイ環境はわりにあっけなく構築できた。デスクトップは、それはもう広大だ。いったい何平方ピクセルあるのだろう? 野球でもできそうなくらいである。

トリプル化のおかげで作業も快適になった、とドヤ顔で書いてみたいところなのだが、正直なところ、ちょっとやりすぎ感は否めない。ゲームしたりするのならいいかもしれないけど。

ふつうに使用するぶんにはとくに不具合はない。USB出力のシネマディスプレイの画像も問題ない。QuickTimePlayerでMP4の動画を再生してみたが、遅延は感じられず、気になるようなことはなかった。

ただiMacの起動時にフリーズしてしまう症状がときどき出る。どうも二台のiMacを起動させる順番に関係しているような気がする。両方同時あるいは先にMid2010が立ち上がっていると、Late2015がフリーズしやすいからだ。Late2015を先に起動させてログインをしたあとにMid2010のほうを起動させると、うまくいく。