台風が三つもやってきているというのに、今日はぽっかり晴れて暑かった。午後に少し散歩に出てみた。
途中で、畑のまんなかをとおる。この時期にここを歩くと「夏畑」という言葉が浮かぶ。
夏畑とは夏の季語のひとつだ。わりに好きな言葉である。
しかし今年の夏は、この季語をつかうタイミングをすでに失してしまった。暦の上ではもう夏は去ってしまっている。それどころかお盆もすぎて、日もずいぶん短くなった。夏至からもう二カ月である。
暑いことはまだ暑い。だが夏はほとんど退場しかけているように感じられる。
西日本では猛暑続きらしいが、首都圏では今年の夏はいまひとつ夏らしさに欠けた印象だ。過ごしやすくて助かる反面、物足りない気持ちもないではない。
ここにあげた写真三枚は、いまいち夏らしい印象に乏しいこの夏の光景を切りとってみたもの。撮影日はそれぞれ異なるが、3枚ともほとんど同じ場所で撮影されている。
とりたててなんということもない一瞬の光景。だが、その一瞬のなかに、現在のぼくたちが生きる現在のあらゆる問題へとつながる回路がたたみ込まれている。そうした観点からぼくたちの「日常」を捉えたい。そう、いつも考えている。