秋の初めに書いていた「情報×遊戯性――創造博物館のアトラクション的手法から考える」が公開された。
掲載誌は『情報管理』12月号(Vol.60 No.9)で、科学技術振興機構(JST)が発行している。冊子版は大学図書館のようなところでないと見られないかもしれないが、J-STAGE上にWeb版が公開されているので誰でも読むことができる。ぜひご笑覧ください。
当該誌のURLはこちら。
http://www.jstage.jst.go.jp/browse/johokanri/-char/ja/
ぼくの記事には以下のURLから直接アクセスできる。ブラウザでも見られるし、PDFをダウンロードすることもできる。
https://doi.org/10.1241/johokanri.60.651
もとになったのは、ケンタッキー州にある「創造博物館」(Creation Museum) を見に行ってきたときの話である。ここでいう「創造」とは、「創造論」(Creation Theory) のことだ。創造論とは、キリスト教の一種の原理主義で、神が最初の6日間で世界のすべてを創造したという『創世記』の記述を文字どおりそのまま信じる立場をいう。
その創造論のアピールと普及をはかるのが、創造博物館の目的である。実際に現地を見にいってわかったのは、その手法がきわめてアトラクション的だということだった。ひと言でいえば、「空疎な内容、洗練された手法」。
たとえば上の写真は、創造博物館の展示室入口付近である。これだけ見ても、なんのミュージアムだかさっぱりわからないのではないだろうか。それが「空疎な内容、洗練された手法」の重要なポイントのひとつなのだ。
そしてそれは、創造博物館だけでなく、現代の社会においてさまざまに形を変えながら広く見られる特徴でもある。拙稿では、そこからメディア化した現代の社会を考えるひとつの道筋を考えてみた。
現地では写真を大量に撮ってきたのだが、記事には掲載できなかった。何点か選び、後日あらためて、ここで紹介したいとおもう。