先日の北海道胆振東部地震による被害の大きさには、おどろかされた。報道で流される映像は一部の地域のものに集中しがちだが、一時は全道で停電するなど、道内各地の方々にとって相当に大変な状況であろうとおもわれる。また、この時期の北海道には観光客も多くいたはずだ。身動きするにもどうにもならず、苦労されたこととおもう。あらためてお見舞い申しあげます。
北海道は、ぼくにとってひじょうに思い入れの深い土地である。数えきれないくらい旅をし、友人や知人も多く住んでいる。震源地の厚真町やその周辺も、何度かとおったことがある。応援になるのかどうかわからないが、ぼくの手持ちの写真から、何葉かご紹介させていただきたい。
最初は、2016年1月にANA機上から撮影した写真だ。あまり良い写真ではないけれど、苫小牧東港が写っている。
白く煙を吐く煙突は苫東厚真火力発電所のもの。道内の電力の約半分をになっていたが、地震発生後に緊急停止したという。港から奥の陸地にかけての一帯が、厚真町だ。フレームアウトしてしまっているが、左手奥に国家石油備蓄基地がある。
厚真町は、北海道らしい低い丘陵を刻む谷が海へとひろがってゆくような地形である。町域の形状は、ちょうど町屋づくりの建物のようだ。海に面している部分の間口は狭く、奥に深い。
海に面した苫小牧東港には、上述した発電所があるほか、敦賀や新潟を結ぶ新日本海フェリーが就航している。海岸近くを、JR日高本線、R235、日高自動車道が横切っている。
内陸部には、丘陵のあいだにひろがる平地が開墾され、そこに畑や牧場が点在している。
上の写真は、2015年7月に撮ったもの。このときは道道10号線を走った。この道は、厚真町をちょうど北西から南東に縦断するような恰好で走っている。標識が端的に示しているように、厚真町は、札幌方面と日高方面を結節する地点にあたる。
厚真町の東隣は、ししゃもで知られる鵡川町。その東隣が、二風谷アイヌ文化博物館が有名な平取町で、この町は海に面していない。その東が、競走馬の産地として著名な日高町だ。下の写真は、その日高町を流れる富川にかかる橋の手前の交差点で撮影したと記憶している。ちょうど朝の登校時間だった。
撮影したのは2011年9月だった。あれから7年たち、たまたまこの写真に写り込んだ当時の高校生・中学生たちの多くは、いまはもうそれぞれ大学生であったり、働いていたりするだろう。町を離れているひともいるかもしれない。
かれらやかれらの家族の無事と、一日も早い生活の復旧を心から祈っている。