畑一面に花が咲いていた。「花摘み園」と立て札がある。誰もいない。無人直売所ならぬ、無人花摘み園だった。
花は二種。紫色の花はアンジェリアという品種だそうだ。なんとなく食虫植物を想起させる。
もうひとつはシャーレポピー。花の形が平たいので、実験室でつかうシャーレから付けられたのか。あとで〈なな〉から、シャーレはドイツ語のSchale（殻）から来ているのだと教えられた。
2種類で5本いただくことにした。1本10円とのこと。郵便箱が据え付けられており、これが料金箱になっていた。50円投入。
もちかえって花瓶に挿した。一晩たつと、水は花瓶の2/3ほどに減っていた。少しぐったり気味だったアンジェリアがすっかり立ち直っていた。さらに一晩たつと、シャーレポピーのつぼみが二つ、花ひらいていた。
