今年も薪ストーヴ用の薪づくりをした話のつづき。前回は、原木をチェンソーで玉切りにしたところまで。
玉切りのあとは、薪割りである。
基本的には、ぼくはぜんぶ手割りする。エンジン式の薪割り機があれば、作業が早くて楽なのだが、高価だし、騒音を考えると住宅地での使用は現実的ではないので、導入していない。
つかうのは、もっぱら斧だ。グレンスフォッシュの450というやつ。スウェーデン製で、昔ながらに職人さんが手作りしているという。シンプルで無骨で、こういう道具は好ましい。
グレンスフォッシュ450は、カタログ・スペックでいえば、刃渡り70mm、柄長790mm、重さ2400g。じっさいに手にすると、かなり大きく、そして重い。薪割りするためには、この斧を振りかぶってから振り下ろすのだが、最初のうちは、振り上げるとヨロヨロしてしまう。しかし何度も振っているうちに、からだが慣れてくるのか、安定してくる。それでも、ときどきよろけてしまうのだけど。
重いぶん、威力は抜群だ。ちょっとした薪なら一撃で半割にできる。直径20cm以上の玉切りとなると、さすがに一撃というわけにはいかないものの、何度か振り下ろしていれば、割れる。
ただ、枝分かれや節がねじれているようなところは、斧だけでは割れない。そういうときは、手動薪割り機を併用する。
ダルマ・ジャッキのような油圧ポンプをつかった簡単なもの。これでも14tほどの破砕力があり、そこそこつかえる。
ポンプのシールからオイルが漏れながらも、圧が抜けるようなこともなく、ノーメンテナンスでもう6-7年ほどつかってきた。だが今年とうとう、材を刃に押しつける部分をガイドする鉄材が破断してしまった。変な恰好をした材を割ろうと、むりに力をかけすぎたためだろうか。
ここが壊れた例は、ネットで検索してみたものの、見つけることができなかった。シールの劣化くらいならパーツ交換でなんとかなるかもしれないのだが、これでは場所が場所だけに、溶接でもしないかぎり修復不能とおもわれる。残念ながら処分するほかないだろう。やむをえない。ネットで買った安物なのに、ここまでよくがんばってくれた。
手動薪割り機が壊れてしまったあとは、割りにくい材は、もっぱらクサビを打ち込んで割ることにした。グレンスフォッシュ450は、刃の反対側がクサビ打ち用に四角い形状をしているが、金属どうしを打ち付けると破片が飛んで危険なので、無反動ハンマーでつかって打ち込む。いまのところ、これらの道具類だけで、どうにかなっている。
さて、そんなわけで、なるべく蚊がでてくる前に終えたいと、時間を見つけてせっせと薪割りにはげんだ。おかげでひととおり済み、仮積みするところまできた。これだけあれば、ひと冬以上まかなえそうだ。
じゅうぶん乾燥させるために、薪は割ってから1年、できれば2年寝かしておくべきとされている。既設の薪棚はすでに満杯なので、増設しなければならない。それがつぎの作業である。