知人から封書が届いた。発信地は宮城県石巻市。消印には七夕の日付がスタンプされていた。
手紙に記されていたのは、つぎのような言葉だった。
4月初旬、郷里石巻に戻っております。(中略)幼なじみ数名、少なくない知人が持っていかれました。この間、友人宛に送ったメールをこの程ブログにしました。
ブログ開設までもいろいろご苦労があったらしい。ブログ名は「日和山だより」という。http://hiyoriyama.kaminogakko.com/
おそらく、このようなサイトは少なくないのではなかろうか。
それらは、何かめざましい情報を発信するというようなことを目的としたものではないし、アクセスする者もそれを期待すると、すれちがってしまう。
そうではなく、これは「声」なのだ。
ブログやウェブやTwitterといったテクノロジーの力を借りて、被災したひとたちがみずから「声」を発しているのだ。
そして、発せられたあらゆる「声」は、みずからが誰かに聞き届けられることを願っている。