エッセイ

まぜるな危険

またも喘息の発作に襲われた。 夜、布団に入ったら急に咳が出はじめた。ひとつ咳をするたびにひどくなる。すぐに気管支が腫れて、空気が入って来なくなった。苦しくて、とても横になどなっていられない。ゴリラのような恰好で両手を床につき、深呼吸を...
その他のお知らせ

『超克の思想』

岩本真一さん(京都精華大学)からご著書『超克の思想』(水声社、2008年)をご恵贈いただきました。立派な御本です。ありがとうございました。 例の「近代の超克」を軸に、「近代」をめぐる思想的葛藤を近代日本思想史のなかでとらえなお...
生活の風景

《てんてん》の災難

階下がなにやら騒がしい。訊けば、猫の《てんてん》が走りまわっているという。 ものすごい勢いで部屋から部屋へと駆け抜けいき、たちまち戻ってくる。壁に頭をぶつけてもかまわない。ときどき彼女はそんなふうに暴れん坊と化して、うちのなか...
生活の風景

自前どんど焼き

うちの暖房は薪ストーヴ頼みだ。11月末から4月あたままで焚いている。これ1台で、うちじゅうが暖まる。ほんとは1階の土間あたりに設置すれば全体に暖気がまわるのだろうが、わが家は生活の中心が2階にあるので、ここに置いている。 この...
メディア論の視座

繁茂する反映論

年末から年始にかけて、ほとんど表に出ることもなく、引きこもっていた。外界との接触は、新聞とネットくらい。だから珍しくよく新聞を読んだ。 そこには、いまの社会を読み解く的な季節ものの記事が溢れていた。その中身たるや、反映論のオンパレード...
自然の風景

富士と新年

あけましておめでとうございます。 富士山といえば松竹映画のロゴが連想されるわけだが、それが正月のイメージにつながるのは、やっぱり寅さんシリーズの影響だろうか。いかにも類型的なこの写真は、年末に寒風に吹きさらされながら、東名の富...
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映画『K-20 怪人二十面相・伝』

『K-20 怪人二十面相・伝』(佐藤嗣麻子監督)を観た。大作であるわりに危惧されたほど大味にすぎず、それなりに愉しく観られる。 北村想の原作は未読(名古屋出身者にあるまじきことで恐縮だが)。だから、原作と映画脚本とでどう設定が変わって...
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映画『ディスコ』

『ヤング@ハート』(評)や『ウォー・ダンス──響け僕らの鼓動』(評)とちがい、こちらは劇映画。おフランスの、けれどもインテリ御用達でなく大衆向けの娯楽作品である。作品の出来としては、特筆すべきものは見あたらない。だが「音楽やダンスによるアイ...
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映画『ウォー・ダンス──響け僕らの鼓動』

こちらの作品もやはりドキュメンタリー。『ヤング@ハート』(評)が高齢者を対象としていたのにたいして、こちらは子どもたちが主役である。舞台はアフリカ・ウガンダ北部の内戦地帯。内戦孤児など紛争の犠牲になった子どもたちが、音楽やダンスをとおしてア...
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映画『ヤング@ハート』

音楽やダンスがアイデンティティの再構築をもたらす──という図式は、音楽をフィーチャーした映画に好んで扱われる典型的なモティーフのひとつである。最近たてつづけにその手の作品を観た。 まず『ヤング@ハート』(スティーヴン・ウォーカー監督)...
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