市川

エッセイ

歩き遠足日和

この時期、小学校は歩き遠足と称して近所の公園にやってくる。公園はうちの近くだから、子どもたちはほとんどじぶんの家に帰ってくるようなものなのだが、それでも遠足は遠足、たのしいらしい。《なな》も《くんくん》もウキウキで出かけていった。 ...
エッセイ

学級閉鎖

学童に《くんくん》をお迎えにゆくと「また学級閉鎖だよ!」と叫んでいる。つい一週間前まで学級閉鎖だった。これで二度目である。 やれやれ、また当分外へ出られない。学級閉鎖になると学童も登園停止となる(まあ当然の措置だ)。子どもをひとりで置...
自然の風景

紅玉

いまの家に越してきたとき、サカタのタネの通販で買った紅玉の苗を植えた。届いたときはただの棒切れのようななりだったのに、数年のうちにぐんぐん伸びて、いまでは二階の軒に届くまで生長した。そこに今年、いくつか実がなった。 もとより市...
ゼミ・授業

雷雨

集中講義ぶじ終了。学生たちは議論をつくし、頭を絞り、多くが土日も朝から晩まで白金に詰めて課題にとりくんだ。その成果は如実に発表の質にあらわれていた。すべての発表が終了すると、学生たちはバタバタと床にひっくりかえった。ほとんど寝ていなかったの...
メディア論の視座

花火

木曜金曜と集中講義で、週末をはさんで月曜まで続く。「講義」といっているが、実質はワークショップだ。芸術メディア系列の教員3名が総出で三日間びっちり張りつく。 学生に与えられるテーマは「なぜ働くのか」。チームごとに議論をして、じぶんたち...
メディア論の視座

小さなバスの効用

コミュニティ・バスというものに初めて乗った。公共交通機関網の薄い地域に市が走らせている。前に野田市で「豆バス」という、ほんとに屋根上に豆のさやの印を載っけたミニバスを見かけたが、市川ではそういう意匠上の工夫は見られない。ごくありふれ...
エッセイ

クルマにお経

京成電車にごろごろ揺られて中山法華経寺に行った。 お詣りを済ませて境内を歩いたら、線香の匂いのするほうから塩辛声の読経が聞こえてきた。声のするほうを見ると、ねずみ色のジャンパーを羽織ったおじさんが、お坊さんの前で首をうなだれて...
自然の風景

落ち葉

冬休みも今日でおしまい。ぼくは大晦日も元旦も連日原稿とにらめっこだった。けれど、すぐに煮詰まってしまうので、毎日子どもたちの散歩につきあった。 今日も快晴。午後から土手に出て渡しをめざす。次男と三男は自転車、こちらはあとからと...
エッセイ

牛すじを煮る年の瀬

家族が名古屋に帰っている。だから市川にはぼくひとりだ。正確にいえば、猫のてんてんとふたりである。溜まりに溜まった仕事を片づけねばならないので、残念だが遊んでいるわけにはいかない。といいながら、おもうように仕事がすすんでくれないのは、いつもの...
その他の散歩旅

クリスマス・エクスプレスにて

まとまりのない話をゆるゆると三題。 その1。メルプラッツの公開研究会が京都駅前のキャンパスプラザで開かれた。ぼくは名古屋の実家に一泊したのち、当日朝、京都へ向かった。名古屋駅に早めに着いた。時刻表をめくってみたら、新幹線でなく...
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