映画を観るまるで続編ではない続編——想田和弘監督『精神0』 想田和弘監督の『精神0』のおもしろさは、これが『精神』(2008年)の続編と見せかけて、じつはまるで続編ではないところにある。 前作の延長に位置するのが続編の定義であるのだとすれば、本作品は、むしろ、前作にたいして、ねじれの位置にあ... 2020.05.04映画を観る
映画を観る『さよならテレビ』の逆説 東海テレビのドキュメンタリー映画『さよならテレビ』は、「テレビの今」をテレビみずからとらえようとする意図をもってつくられた作品である。残念ながらその狙いは、一個の作品としてうまく結実しているとは言いにくい。ところが、作品として必ずしも成功... 2020.01.03映画を観る
映画を観る東海テレビドキュメンタリーのお歳暮 「東海テレビドキュメンタリーのお歳暮」と題された上映会がおこなわれている。場所はポレポレ東中野。2007年以来、同局は阿武野プロデューサーの下でドキュメンタリー作品を劇場版の形で公開してきた。その既存の15作品がまとめて上映されて... 2019.12.27映画を観る
メディア論の視座クジラとカメラ NHK「クジラと生きる」をみた。Twitterで「ダーウィンが来た」と番組名を混同したツイートを流したが、あれは勘違い。Nスペでした。 イルカ漁を告発的に描いた映画『ザ・コーヴ』に対抗する意図があったのか、太地町のクジラ漁師たちに寄り... 2011.05.23メディア論の視座
映画を観る映画『こまどり姉妹がやってくるヤァ!ヤァ!ヤァ!』 こまどり姉妹を追ったドキュメンタリー。古くから活躍する二人組の女性演歌歌手である、という以上の知識をほとんどもたないまま観た。 実の姉妹である二人の語る一代記がそのまま物語となる。1938年北海道生まれ。戦時中は樺太に渡っていたことも... 2009.12.06映画を観る
映画を観る映画『マイケル・ジャクソン This is it』 急逝したマイケル・ジャクソンが準備していたコンサートのリハーサルを収めたドキュメンタリー。冒頭で、元来はマイケルの個人的な記録用として撮影された映像である旨の断りが入る。オーディションから本番直前まで、ほぼ全篇がリハーサルの現場の記録で構成... 2009.11.29映画を観る
映画を観る映画『ピリペンコさんの手づくり潜水艦』 二日間の卒論ゼミ中間発表会を終え、翌日は特別入試の面接だった。終了後イメージフォーラムまで『ピリペンコさんの手づくり潜水艦』を観にいってきた。 内容はまさに題名どおり。ピリペンコさんとは、ウクライナの草原の村に住むおじさん。62歳。年... 2009.11.22映画を観る
映画を観る映画『マン・オン・ワイヤー』 かれが歩こうと決めたのは、地上411m。マンハッタンにそびえる二本のスカイスクレイパーのあいだにワイヤーを張る。その上で綱渡りしようというのだ。ひとりのフランス人綱渡り師に取り憑いたこんな「妄想」が実現されるまでの過程を、本作品はテンポよく... 2009.07.02映画を観る
映画を観る映画『小三治』 柳家小三治師匠のドキュメンタリー。 寄席、楽屋、旅先、稽古場。小三治の出かけるところならどこへでも、カメラがとことこついてゆく。つかず離れず、奇をてらわず、小三治に寄り添いつづける。その間合いがいい。 小三治の口をついて出てくる... 2009.04.01映画を観る
映画を観る映画『ザ・ムーン』 アポロ計画をふりかえるドキュメンタリー。同時に、本作品の提供者であるロン・ハワードが監督した『アポロ13』(1995)が、史実にもとづいた劇映画としていかによくできていたかをも教えてれる。 1961年のケネディの演説から始まり... 2009.01.27映画を観る空と雲と光